９私の母 ページ10
･
『今一緒に帰ってきたよ』
「え！？！？」
そういった途端、エプロンを付けたまま家を飛び出したお母さん。
…え？
そして5分程経った時、再び玄関のドアが開く音がした
「間に合ったわ〜」
「お邪魔します」
お母さんの爽やかな声。
…いや待って、今お邪魔しますって聞こえた気がするんだけど？つか、なにが間に合ったんだよ。
リビングのドアが開き、そこに現れたのは
「…お邪魔してる」
「どうぞどうぞ！」
『！！？』
私のプリンス轟焦凍様じゃないかっ！！！！(違う)
『なになに連れ帰って来ちゃったのかい母よ！！！』
「一緒に帰ってきたって言うからいてもたっても居られなくって…」
なんでそんな寂しそうな顔すんだよ
ていうかそんなに焦凍に会いたかったのかよ！
『まぁ私にとっても美味しい展開だから全然ウェルカム』
「そう言うと思ったわ〜」
「(さすが親子)」
するとお母さんはジュースとお菓子を用意しお盆に乗せ、私に手渡してきた
『…何これ』
「さ、ごゆっくり」
語尾にハートマークがつきそうな笑顔で。
『…部屋にいけと？』
「うん」
…私にはレベルが高いよ…！！！！
「…」
無言のままの焦凍
『いや待って、焦凍の都合とか聞いたの？』
「いいよって言ってくれたわよ」
「いいですよ」
「ほら！」
ねぇ大丈夫？
無理させてない？
「ほらほら」
グイグイと背中を押され、私達は無理矢理に部屋に押し込まれた。
『…なんかごめん』
「いや、いい」
焦凍も真顔だし怒ってないみたい。よかった。
…真顔って怒ってないよね？
大丈夫だよね？
「似てるな」
『私とお母さん？』
「あぁ」
少し微笑む焦凍
………あぁ、尊い。
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作者名：おもち
| 作成日時：2019年3月24日 23時
