１５食堂 ページ16
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「テメェら楽しそうじゃねェか」
眉間にシワを寄せて笑う爆豪くん。
とてもヒーローを目指しているとは思えない悪人面だ。
…なんて事は口が裂けても言えない、殺られる。
「悪いか？」
「…あ？」
見つめ合う二人。
昨日といい、今といい、あまり近寄らせたくない組み合わせだな…と感じる
『！？カツ丼じゃん！』
「…んだよ」
爆豪くんが手に持っているのはカツ丼。
人のものってめちゃくちゃ美味しそうにみえるよね、そう思うのって私だけ？
『蕎麦食べたあとカツ丼食べようかな…』
「！？」
爆豪くんが何故か驚いた表情をした
「…は？お前、その量の蕎麦食ってまだカツ丼食うのか…？」
やばい、めっちゃ引かれてる
今のでわかった、引かれてるんだねこれは。
「太るぞ」
『ぐっ…！』
焦凍にそう言われると、やっぱり手を止めてしまう
でも食べたい
いやでも太るか…いや、でも…
心の中で無限ループを繰り返していると、爆豪くんが私の目の前にカツを差し出してきた。
「…何してるんだよ」
焦凍が爆豪くんを睨むが、構わずカツを私にグイグイ押し付けてくる
『え……もっもしかして！！いいの！？』
「オラ食うんなら早く食えよ鈍臭ぇな！！！」
『すみませんでした。』
有難いのか有難くないのかわからない。
とりあえず謝ってからカツを素直に頂いた。
…っていうか、“あーん”じゃね？これ。
…爆豪くんがあーん、とかめっちゃ似合わなさ過ぎて笑える。
「テメェ今失礼なこと考えただろ！！！」
『断じてそのような事は！！！』
多分、今この辺りだけ騒がしいと思う。
爆豪くんはため息をつき、そのままドカッ！と席に座るとカツ丼を食べ出した。
…っていうか、私が口付けた箸！
『ちょっ…その箸私口付けたけど大丈夫…？』
「あ？いちいち気にしてられるかよ」
あ、大丈夫なタイプなんだ。
私も大丈夫なタイプなんだけどね。
「……」
焦凍はいつの間にか蕎麦を食べ終わり、私の蕎麦を見つめている
『えっと、食べたいの？』
「……いや？」
私がそう尋ねればプイッと顔を逸らす。
…なんだその間は。
『一口いるかい…？』
次にそう尋ねると目を輝かせて見つめてくるものだから、思わず蕎麦を差し出した。
だってあの表情、くっそかわいい…！！
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作者名：おもち
| 作成日時：2019年3月24日 23時
