いや、ただ偶然出会っただけだけど。２【灰谷蘭】

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＿＿＿結局、山田くんには確認ができないまま
祭りを迎えた。






『ァァァどうしようどうしよう
変なところないかな……顔面大丈夫？？？』(小声)



待ち合わせの鳥居付近で何度も手鏡を見返す。




蘭と竜胆からは“もう着く”というメッセージが入ってて
余計に緊張してきた。やばい。




「ねー」


『！？』




突然声をかけられ、思わずビクッと肩を揺らして振り返るとそこには全く知らない2人組みの男が笑顔で立っていた。



誰だよ。今緊張してるんだよ話しかけんな。


……と言いたい所だけど相手がちょっと強面な感じなので何も言い返せない。(弱)




「うわ、ちょー可愛いじゃん」


「1人で友達待ってるの？
良かったら俺らと回んね？」




挟まれてしまった。
無視して携帯を見ていると


「あ！じゃあ連れの子も一緒に回ろ？な？いいだろ？」


と、少ししつこい。




それでも無視を続けていると、

「おい無視すんなよ」と言って肩を引っ張られた。



何気に力が強い。
つか、通行人見て見ぬふりせずに助けろよ。

この空間だけすごい避けられてる。



「おい聞いてんのか？」



更にグイグイと腕を引っ張られる。

せっかく留美子と留美子ママに可愛くしてもらったのに
崩れるじゃねぇか！！



『っ…！』




ここなら人気もあるし、言い返そうとしたその時。




「オマエ誰の女に触ってんの？」


聞き慣れた声が真後ろから聞こえて
両肩を優しく掴まれて後ろに引っ張られる。

ポスッと背中が暖かい何かに当たった。




「ゴメンな、道混んでたわ」


『……！！』



そのまま見上げれば、蘭が笑顔を浮かべていて。



待って浴衣！！？
背中が蘭の胸に当たっていてよく見えない！！！(興奮)




蘭の後ろから竜胆がヌッと現れ、「じゃ、早く行こーぜ」と目の前の男2人を完全スルー。



「誰だテメェら、無視してんじゃねぇぞ」




蘭の手を掴んだ男。
え……命知らずか？こやつら。




「俺ら、お前らに構ってるヒマねぇんだけど…」

ちょ、ほらごらん？？蘭の大人の対応神じゃない？




蘭の後ろからその横顔をじっと眺めていた時。



「この……っ！」



『え、ちょ…！』




男が蘭目掛けて拳を振りかぶった。




『蘭……！』




咄嗟に庇おうとしたけど竜胆に手を掴まれた。




蘭は男の拳をヒョイッと避けて、
更にはその勢いを利用して男を地面に投げ飛ばした。




『……え。』







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