【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 参【童磨】

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「私は上弦の鬼とただの鬼を共に置いておきたくはないと考えている」



『……と、仰いますと？』



「お前らは一度離れた方がいい。他人を知れ」






突然言われたこの言葉。

……いやいや、え？
童磨と離れろって事ですか？



またそんなご冗談を……と無惨様の表情を伺うも
とても冗談を言っているような表情じゃない。





「本気で……」



「でなければお前らをここには呼んでいない。
そして……」






無惨様が後ろを振り返る。

つられるように私と童磨も無惨様の後ろを覗き見てみた。





「此奴もな」



口角を少し上げた無惨様。お綺麗です。
いや、お綺麗なんだけど……

その後ろにいる男……




(誰……？)






私と童磨は状況が理解出来ず、二人して首を傾げた。
だけど童磨は相変わらずニコニコと笑顔を浮かべている。



私と童磨の視線が男に集中した時。





「これは私が新しく鬼にした元鬼狩りだ。
そしてこれからA、こいつをお前と組ませる」


無惨様は微笑みながら童磨と離れるいい機会だ、と
私の頭に手を置いた。






「え……」



『……いやいや、』




童磨も驚いたように、私と無惨様を交互に見る。

私だって驚いてる。
空いた口が塞がらない。


これから私をこの鬼と組ませると仰ったのか？
まだ全然お互いの事を知らないのに
じゃあ童磨は？




「名は “煌(こう)” と呼ぶ」


『…煌……』




私が小さく呟くと、その鬼の男は目を輝かせた。
その大きな瞳に私を映して。




「俺、気に入りました！」


「……」




子どもみたいに無邪気に笑う煌はどうやら無惨様のお気に入りらしい。

っていう事は力の方もそこそこなのでは？




『お待ちください、それならば童磨は？』


「童磨はお前が鬼になるまで一人だった。
元の様式に戻るだけだ」


『そんな……』


「何だ、文句でもあるのか？」



本気ですか？


せっかく
やっと、

童磨に愛してるって言えたのになぁ

言うつもりは無かったんだけど、ちょっとは進展出来たんじゃないのかな？


頃合いを見て、本気で伝えようかなって思ってたのに。





「……質問宜しいですか？」




しばらく黙ったままだった童磨が口を開いた。





「俺とAは、二人で会うことは許されますか？」



まぁたまになんですけどね〜、なんて言ってヘラヘラと笑う。



でもその表情はいつものヘラヘラした表情とどこか違うような気がしたけど、私の気のせい？




ねぇ＿…

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