98 ページ49
・
『鏡に、ヒビ……』
そう呟けば、童磨は私を離して微笑んだ。
「え〜?そういうやつじゃないの?」
『そんな縁起の悪いもの贈るか!』
「冗談だって、怒らないでよ」
内心、物凄く焦ってる私。
まさか嫌な予感が当たり、鏡にヒビが入っていたなんて。しかもそれを渡すとか最低じゃない……?
「どうしたんだい?」
俯く私の顔を覗き込んだ童磨は私の顔を見ると困ったような表情を浮かべた。
『あぁぁあ……あの柱まじでぶっ殺す……』
殺気立ってそう呟けば童磨は目をまん丸にさせ
「柱に会ったのは本当だったのかい?」と、私の背中を撫でながら尋ねてきた。
『そうそう……風柱と、あの時の水柱もいた』
「ありゃりゃ…」
『簪もその柱に壊されて……
……ごめん、こんなの言い訳だよね
私ってやっぱり弱いなぁ
大事なもの、何も護れなかったや』
現に今だって、童磨にまたそんな顔をさせてる
ずっと困らせてる
「……ねぇA、今夜街に行こうか」
私の頬を両手で包んで顔を上げさせた童磨はニッコリ笑ってそう言った。
急に街に行くって……
何か用事でも出来たのだろうか?
『行っていいの?』
「行きたくないのかい?」
『行きたいです』
「うん、行こう」
童磨って私の扱い上手くないか?
最近は本当に童磨の言う通りに行動させられてる気がする。まぁ、悪い気はしないしむしろその方が嬉しいけど。
『じゃあ準備して来ないと!!』
「え、準備?
ちょっと早くないかな…?」
まだ昼時だっていうのに準備をし出す私を童磨は苦笑いで見つめてる。
そんなの気にしない。()
着物はどうしよう?童磨はどんな柄が好きかな?
香を付けていくならどれがいいかな?
あぁぁぁぁあ楽しみだ。
夜が待ち遠しい。
我ながら立ち直りが早いな。
「嬉しそうだねぇ」
ふふっ、と笑った童磨、とても素敵すぎる。
『童磨童磨、どっちがいい!?』
「ここで着替えるの!?」
1183人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おもち(プロフ) - るみさん» おおお……!!!コメントありがとうございます……ッッ!!!こちらこそ感謝です……っ゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年1月4日 15時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 今ここまで読んで見ましたが……私の想像以上に最高の作品でした!!書いてくれた作者さんありがとうございます!! (2020年1月4日 13時) (レス) id: b36153d67a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - クラゲさん» ヒビが……(´・ω・`) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - うささん» そそそそそんなに!!!?滅相もない!!!(;▽;)嬉しいですぅぅぅぅぅありがとうございますぅぅう!!!!゚(゚´Д`゚)゚。 (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - paopaoman217さん» え!?ありがとうございますっっ!!!!ヽ(;▽;)ノ更新待っててくださいね〜!!(≧▽≦) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おもち | 作成日時:2019年11月17日 23時