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「ぜ、善逸……?記憶が……」




震える声で炭治郎が呟いた。
伊之助も驚いて、手が震えてる。





「は……?俺の記憶が何だよ……?」





明らかにおかしいこの空気に善逸も戸惑っているようで。




「……A、これは……」



『……と、冨岡さん……私は……』





ボロボロと涙が出てきて、もう止まらない。

近づいて来たしのぶさんが私をそっと抱きしめる。





「おいおい、派手に泣いてんじゃねーか」



「みんなして泣いてるわ……」





柱もこの謎な空気に戸惑ってる。





「……えーと、Aさんっていうの?」



『……っ!』






“Aさん”__




何だかもう、他人みたい……






『……っはは、』



「……え?」



『……ふふ、あはは……っ』





バキバキと音を立てて崩れていく

私の中身





「何を笑っている?あいつは」



「頭可笑しいんじゃねぇのかァ」





そうかも、おかしいかも。
おかしくなっちゃって、笑えてくる。





「……A、」




そんな私の背中を優しく撫でる炭治郎。





『……もう、耐えられない、こんなの酷すぎる……
あの鬼……許さない……っ』



「!?」




自分の手が震える。

これは怒りから来ているものか、
それとも悲しみや絶望から来るものか。





「ね、ねぇA……さん?
音が……」



『……善逸、』



「え!!俺の事知ってるんですか!?
もしかして俺の事好きとか!?
俺の事ずっと見てたとかァァ!!?」






……あぁ、何もかも、忘れてるんだ。





「……っ、でも、すごく嫌な音だ……
頭が割れそうな、
ザーッ、ザーッて……」






そう言って善逸が私に手を伸ばそうとした時だった。





『……ッあ!!?』




頭が割れそうに痛くなった。




「A!!?」


「大丈夫ですか!!?」





みんなの声が遠い、



「……ぐぁ…ッ!」



そして善逸も頭を抱えて蹲る。
善逸と私だけ……?何それ、




脳みそが締め付けられるような
その痛みに耐えている中、あの憎い鬼の声が私の頭の中に響いてきた。







__「苦しいだろう、死にたくなるだろう」



「……っ、凶迷……!!」




あいつのニタニタと笑ってる顔が脳裏に浮かび上がる。





__「君を連れ去る時、黄色い奴の血も吸わせて貰った。証拠に記憶が無いでしょ?」






……は?


血を吸われ……え?

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るーあ - ガチめに泣きました…もう…一生読んでられます…最高です…(語彙力無) (2019年12月25日 20時) (レス) id: e490d5357b (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - Mahtaさん» そうですそうです!!!小説の力をお借りして下弦の参のみを復活させました〜!他の加減はもう居ないです……だがしかし。実は彼、下弦ではなく……。おっと、ネタバレになってしまうのでここら辺で!!(o´艸`) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
Mahta(プロフ) - あれ台詞あってない気がする(今更) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7a57e948cf (このIDを非表示/違反報告)
Mahta(プロフ) - 下弦の参って原作ではあれっすよね?ほしさんが声当ててるあの人、、、「ダメだ、、、おしまいだ!心は読まれ、肯定しても否定しても○される」の人ですよね?けどあれですよね!小説の力d(( (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7a57e948cf (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 美夏さん» なななななんですとおおぉ!!?嬉しいです!!!!更新だいぶ遅れてますね(´・ω・`)今週中には更新したいと思いますので!!(((o(*゚▽゚*)o))) (2019年12月11日 22時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2019年10月20日 23時

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