【鬼滅の刃】報われたい 弐【我妻善逸】

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『……』





ポツン、と女湯の脱衣所にただ一人。






『……誰もいない』







誰もいないってこんなに寂しいものだっけ。

あ、そうだった


前まで一人だったのに、もう忘れてた





『んー……早くみんなに会いたいなぁ』





ちょっと1人だけでいるこの短い時間でもこんなに寂しく感じるのは、みんなと一緒にいる時間の方が多いからであって


やっぱり一人でいる事に慣れているようで慣れていないんだな、と。





タオルを体に巻いて浴場に向かえば、
広い露天風呂が広がっている。



『おぉ…』




めっちゃでかい。綺麗。いい匂い。
種類も豊富だ。

単純温泉、薬湯、硫黄泉、硫酸塩泉……
これは楽しめるぞ。



これなら一人で、自由にのびのびと泳げる。(違う)





もくもくと湯気がたつ湯に足を付け、
徐々に体を浸ける。


まずは硫酸塩泉。
切り傷や冷え性に効くらしい。




『ぐぉぁあぁああったかぁぁあ……』


心も体も癒される。


肩まで浸かって溜息をついた。






「お〜い！聞こえるかぁ〜」



そんな時、向こう側から声が聞こえてきた。

…炭治郎の声だ。





「A〜、」


『…炭治郎？』


「あっ、やっぱりそこにいるのか！」


『男湯と女湯の境って壁1枚なんだね……』





倒れたらおしまいだろう。
そんな事はないと思うけど。





「ちょちょちょちょAちゃぁぁん！！？
えっ、そこにいるの！！？会いたい！！行ってもいい！！？」


『早まるな！！』





普通にそれはダメだろ善逸。

たまに捕まるような言動をするから心配になる。
たまにでは無く、しょっちゅうの間違いか。





『硫酸塩泉最高だよ〜ん』


「何その言い方可愛い！！！そっちに行ってもいい！！？」


『やめとけ！』


「そうだぞ善逸、Aに嫌われるぞ」


「嘘ォ！？」




さすが炭治郎、止めてくれると思ったよ。




「うおぉぉぉぉ！！！」


『えっ、何今の声。誰？伊之助？』




炭治郎と善逸の声に被るようにして
凄い水の音と雄叫び(？)が聞こえてきた。





「あぁ、伊之助の声だ！
泳ぎくってる」


『まじかよ』



炭治郎の声は至って冷静だった。





「しかも泳ぎ結構上手いよ」


『まじかよ』




善逸の声も先程とは打って変わって
とても落ち着いてる。

凄い、2人をここまで収める事が出来るなんて。
私も見てみたかった。





＿＿そんな時、脱衣所から女の子たちの声が聞こえてきた。
声的に私と同い年くらいだろうか＿＿

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