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なんだ、貸し切り状態で私だけだと思ってたけど違ったのか。





長湯するのも良くないしそろそろ出ようか。




……なんて思ってた時、女の子たちの会話の内容が偶然聞こえ、背筋が凍った。

咄嗟に私は隠れるように肩までお湯に浸かると
その会話に耳を澄ます。





「せっかく足取りが掴めたと思ったのにさー」


「だよね、また見失ってこんな所に泊まる羽目になっちゃったし」


「ってか、“深琴” もここまでよくやるよね。」





『…っ…!』



“深琴”




やっぱり追ってきていたのか。ここまで。






だとしたらまずい。
ここ…この旅館にはきっと深琴がいるはずだ。


女の子たちの会話からして深琴たちはここに私たちが泊まっていることに気付いていない。





『……』



一刻も早く、ここから。





そう思い立った私はそっと立ち上がると
岩陰に隠れるように身を屈め、女の子たちから遠ざかった。





「あれ、今音しなかった?」



『!!』







ヤバい、誰か1人が近づいてくる。







……もう、走るしか。
このバスタオルを巻いただけの姿のままで逃げるしかない。






「誰かいるの。」




先程よりトーンの下がった声がこちらに向けて放たれた。





『…っ』




岩陰を除き込んできた女の子の顔。

私の姿をその目に捕らえられる前に、一気に駆け出した。





「!!!逃げた!!」



「うそ…!念の為に捕まえるよ!!」






『(うそうそうそ!!?)』





ちょっと、浴衣に着替える暇も無いの!?




浴場から抜けると脱衣場が広がってる。

そこに置いてあった私の浴衣を走りながら取ると
そのまま部屋を出た。


振り返れば、バスタオルの上にしっかり浴衣を着てる女の子たち。





視線を前に戻す。



ちょうど前には曲がり角。

そこを真っ直ぐ行けばロビー。
逆に曲がった先でまた直ぐにある曲がり角を曲がれば男湯。





……致し方ない。緊急事態なんだ、許してもらおう









私は目の前の曲がり角で右に曲がると、
またすぐ右に曲がって男湯に駆け込んだ。






目の前に広がるは脱衣場。
誰もいないのが不幸中の幸いというやつだろうか。






ドタバタと女の子たち3人の足音が廊下に響き、
徐々に聞こえなくなっていく。




ホッとしたのはつかの間、
その足音はすぐに戻ってきた。





『“ここ” にいるのがバレたら…』




自分の血の気がサァッと引く感覚。

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るーあ - ガチめに泣きました…もう…一生読んでられます…最高です…(語彙力無) (2019年12月25日 20時) (レス) id: e490d5357b (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - Mahtaさん» そうですそうです!!!小説の力をお借りして下弦の参のみを復活させました〜!他の加減はもう居ないです……だがしかし。実は彼、下弦ではなく……。おっと、ネタバレになってしまうのでここら辺で!!(o´艸`) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
Mahta(プロフ) - あれ台詞あってない気がする(今更) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7a57e948cf (このIDを非表示/違反報告)
Mahta(プロフ) - 下弦の参って原作ではあれっすよね?ほしさんが声当ててるあの人、、、「ダメだ、、、おしまいだ!心は読まれ、肯定しても否定しても○される」の人ですよね?けどあれですよね!小説の力d(( (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7a57e948cf (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 美夏さん» なななななんですとおおぉ!!?嬉しいです!!!!更新だいぶ遅れてますね(´・ω・`)今週中には更新したいと思いますので!!(((o(*゚▽゚*)o))) (2019年12月11日 22時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2019年10月20日 23時

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