【銀魂】私が好きなのは…(沖田･土方)

第4話 ページ5

放課後






中庭









総悟「さっさと終わらせろよ雌豚」









木に登って昼寝の準備万端の沖田君がそう言ってきた









『誰が雌豚よっ！手伝いなさいよね！』









総悟「元はと言えばお前のせいだろィ」









『なんでよー』









総悟「話しかけてくんのが悪ィ」









『ハイスイマセンデシタ。…ってかさ、何でそんなに嫌ってるの？』









沖田君は土方先輩の話を出した途端
すぐ機嫌が悪くなる









総悟「お前にゃ関係ねぇだろィ」









『まーそうだけど、知りたいなぁって』









総悟「……知ってどうするってんだ」









『どうもしない笑』









総悟「お前にゃわかんねぇ気持ちでさァ」









『そうなんだ、わかる気もするけどな？』









総悟「は？お前に何がわかるんでィ」









今の沖田くんは、昔の私と重なる









『……似てる、気がする。昔の私と……






私ね、シングルマザーの子供なの






お母さん結構厳しい人でさ、勉強も運動も常に上位キープしてないと許さない人で……





私もお母さんに嫌われたくないからさ、


必死になって勉強してるんだ




あの子に負けるなとか、凄くうるさいの




何か、似てない？私と沖田君。




人と比べられるのってやだよね』







沖田side







人と比べられるのってやだよね、
そう呟いたアイツの顔は、


いつもクラスで浮かべてる笑顔とは真逆だった







とても悲しそうな目……






コイツなら、わかってくれるんじゃねえかと思った









総悟「うるせぇ……一緒にすんじゃねぇ」









それでも俺の口から出るのはこんな言葉ばかり









ようやく【俺】を見てくれるかもしれない人なのに









俺はまた冷たく突き放そうとした









けどアイツは木に登って俺の隣に座った









そして









『頑張ったね、私は比べたりしないから。ね？』









そう言って俺の頭をくしゃくしゃと撫でた









その手の熱は暖かくて…









俺はこの一瞬にして、涙が溢れた









言って欲しい言葉をまんま並べて









優しく笑うこいつに、









俺はこの瞬間、恋をした

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