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「お前も、敵なん？」
前髪の影に浮かぶその鮮緑色から滲み出る狂気と、細身の体からは想像も出来ない程の威圧感。
恐怖が湧いてきてもおかしくないが、私は突然のことに脳の処理が出来ず、逆に冷静だった。
『…その怪我、大丈夫ですか』
「は、」
私の上に乗っかる彼は目を見開く。
横腹部分が赤く染まっていて、私の地味な服にも血がついた。でもそんなことより何故か彼の顔がだんだん近付いてくる。
身動きも取れず彼を見ることしか出来ないでいると、その端正な顔は私の肩に埋まった。
「あぁ良かった…気絶したみたいや」
ホッとした様子でこちらに駆け寄ってくる青髪の、眼鏡をかけた男性。
私の上で気を失っているらしい茶髪の彼をよいしょと両手で抱えている。
「重っ…俺じゃ運ぶの無理やなぁ、シッマ呼ぶか」
『あの…』
「ごめんな？いきなりこんなとこに遭遇して吃驚したやろ。やけどこいつら敵兵やってん。俺らが倒したからもう安心やで」
ゾムは久々にヘマしたせいで、興奮気味やったからな…突然現れた君を見て本能的になってもうただけやから許したって？
眉を下げてそう言った彼だけど、言ってることがよく分からない。
よく見れば、彼らが着ているのは軍服だということに気付く。
ならば私は探られる前にさっさと立ち去るべきかな。
身体を起こして、キャップを深く被り直した。
『失礼します』
会釈をして、その場から離れる。
血なまぐさくて、少し気分が悪くなった。
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「こんなの見たら、そりゃ怖いよな…」
俺らはもう慣れてもうたけど、普通の国民にとっては血まみれの人間なんて恐怖だろう。
意識の無いゾムを横に寝かせながらさっきの子のことを考えていると、彼が唸った。
「っ…」
「待ってや、今シッマに連絡飛ばすからもうちょい我慢して、」
そこで、俺は異変に気付く。
ゾムが負った傷の辺りに触れると、それは確信に変わった。
「…ゾム、怪我治ってる？」
はっとして顔を上げるが、当然もう姿は見当たらない。
あの子が治したとでも言うのか。どうやって？
鬱は、静かに眉をひそめた。
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稲荷(プロフ) - お体気おつけてくださいね(*^^*) (2021年6月10日 20時) (
レス) id: b62dcac460 (このIDを非表示/違反報告)
(^O^) - おぉ!マンちゃんここで登場!シャオちゃん？!Σ(ﾟДﾟ) (2021年5月22日 20時) (レス) id: 54e5655bfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤月セレン
| 作成日時：2021年5月16日 23時
