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既に豪華な食事が並べられていて、あとは飲み物を各々の所へ置いていくだけ。
「あれ、大先生は？」
チーノがそう声をあげる。そう言えば青色の彼だけ姿が見当たらないと思ったが、すぐに現れた。
「すまん遅れた」
「またメイドと遊んどったん？」
「ちゃうわ、ちょっとミスってん」
鬱がそう言い左手を皆に見せる。
手のひらには決して小さくは無い切り傷があって、血が滲み出ていた。先程やっていた訓練の時に出来た傷だと彼は言う。
「お前なんで医務室行かんかったんや。せめて包帯巻いてから来いよ」
「いやぁ、試せると思って」
彼はへら、と笑いながら私を見た。
「Aちゃんの力で、この傷治してくれる？」
その一言で幹部全員察したのか、皆こちらへ目線をやる。
面白そうにグルッペンが口を開いた。
「俺も直接見てみたいと思っていた。丁度良いじゃないか、ここにはまだ半信半疑の奴も居る。
A、その力見せてみろ」
目を細めて私を見つめる総統に、頷くしかない。
どんな感じで力を使うんだろう。当然意識などした事が無いので戸惑いながらも鬱へ近付く。
私はゾムの怪我を無意識に治したあの時を思い出す。確かこうして手を傷口付近に持って行って…
そこで私は彼の傷が治るように念じてみる。目を閉じ、傷口が治っていく様を想像し願った。と、鬱が声を出した。
「っ…！ほんまやねんな、Aちゃん。凄いわ」
その言葉に目を開けてみると、驚いたように目を見開く鬱と、血が滲んだ傷口が綺麗に元通りになった彼の手のひらだった。
「え、ガチやん！」
「マジで凄いでA！」
「大先生どうなん？ほんまにもう痛ないん？」
「ほんま。あれ地味にめちゃ痛かったんやで？今は何とも無いわ」
一気に賑やかになった食事の場。ほとんどの人が見たことも無い力に驚いている中、興味深そうに私を見るグルッペン。
そして、コネシマとゾムは訝しげな目線を私に向けている。
凄いと皆に言われるがやはり、気味悪く思う者も居るんだろうなと密かに思った。
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続く (更新停止中)
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稲荷(プロフ) - お体気おつけてくださいね(*^^*) (2021年6月10日 20時) (
レス) id: b62dcac460 (このIDを非表示/違反報告)
(^O^) - おぉ!マンちゃんここで登場!シャオちゃん？!Σ(ﾟДﾟ) (2021年5月22日 20時) (レス) id: 54e5655bfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤月セレン
| 作成日時：2021年5月16日 23時
