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そこで、ふと私はハッと思い出した。
「どしたん？」
『そういえば一応メイドとして今ここに居るから、シャオロンのことも様付けしなきゃいけないと思って…』
「えー、そんなんええのに」
『そうもいかないでしょ…せめて誰か居る時はそう呼ばせて。2人の時はシャオロンって呼ぶから』
「…しゃーないなぁ、」
そう言うとシャオロンは、急に私の右手を取り手の甲にキスを落とした。
突然の事に驚きを隠せず顔が赤くなる私に、彼はにやりと笑う。
「これで許したるわ」
『っ…からかわないで』
「意外とこういうの耐性ないん？」
面白がるようにシャオロンはそう言い、少しむっとしながらも私は答える。
『パーティーとか、全部断ってきたから』
「ふーん、それは確かにAの顔を誰も知らへんかったのは納得や」
なるほどなぁと呟く彼だが、何を思ったのか「あ」と声を出した。
「せや！今から俺らと飯食わん？」
『え、』
「昼まだやろ？幹部同士はいつも一緒に広い部屋で食ってるんやけど、Aもおいでや」
そう笑ってシャオロンは言ったけど、流石に幹部の中にただの新人メイドが混じるのは周りからどう映るのだろうか。例えば、他のメイドさんたちとか。
グルッペン総統が言うには、この軍城で私の事を姫だと知っているのは
“正体は隠した方が良いだろう。知れ渡る人数が多いほど外に漏れるリスクが高まるからな。”
「…A？」
総統の言葉を思い出していると、シャオロンが私の顔を覗き込んでいた。
『あ、ごめん…えっと、ご飯の話だっけ。私は行かないでおくよ。他からどう思われるか分からないし』
「そっかぁ…Aやったらあいつらも喜ぶと思うんやけどなぁ…」
『それは有難いけど…ごめんね』
「いや、Aが謝ることないで」
少し考えた後、残念そうにシャオロンは眉を下げて笑う。
そしてドアノブに手をかけ、再び私を見た。
「あとその髪、めっちゃ似合っとる」
メイド姿も楽しみにしとくわ、と言い残して彼は部屋を出た。
心臓の辺りが少しだけ騒がしいのは気の所為だろうか。
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稲荷(プロフ) - お体気おつけてくださいね(*^^*) (2021年6月10日 20時) (
レス) id: b62dcac460 (このIDを非表示/違反報告)
(^O^) - おぉ!マンちゃんここで登場!シャオちゃん？!Σ(ﾟДﾟ) (2021年5月22日 20時) (レス) id: 54e5655bfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤月セレン
| 作成日時：2021年5月16日 23時
