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何とか夜を越し、朝日が昇ってきた。
街中はだんだん人が見えてきて、店も開店している。
早速私は家を借りるため、借家を取り扱ってる店へと足を運んでいると、その内周りの人がざわざわしだした。
「おい、聞いたか？」
「あぁ。どうも王の娘さんが居なくなったそうだぞ」
「え？それってやばくないか？」
「姫様が行方不明です！何か知っている方は至急情報を！」
王城中大騒ぎらしいと小耳に挟み、どこかざまあみろという感情が湧いてきていると、借家さんの店主が言った。
「大変だよなぁ。姫さんが居なくなるなんて」
『そうですね。どうしたんでしょうか』
「さあ…？何でも、誘拐とかじゃなく自分の意思で出ていったそうだぞ。お陰で見張り役の執事が何人か王様に消されたとかいう噂らしい」
なるほど。両親ならやりかねない。
他人事のように店主の話に相槌を打っていると、新しい家の契約書と共にもう1枚紙が差し出された。
『…これは？』
「それが姫さんだと。名前は相変わらず隠したままだが、顔はやむなく公開したそうだ。探すのに顔が分からないんじゃ話にならないからな。というか予想通りの美人だよなぁ…あんたも探すのに協力してやれよー」
ぺこりとお辞儀をして、私は歩きながらその紙に映る自分の写真を見る。
立派なドレスに身を包み、金髪の髪は下ろされ顔はしっかり化粧して着飾っている普段の自分。
今の私を見ても誰もこのお姫様だとは思わないだろう。
すると、後で捨てようと思いながら目線を下に持っていったせいか、人にぶつかった。
「おい女ァ、何ぶつかってきてんだよ」
「そうだぞ謝れ！」
『あぁ…それはすみません』
見れば、柄の悪い男2人。
よそ見してた私も悪いとは思うけど、何となくぶつかってきたのはそっちでは。
とりあえず謝ったので、先に進もうとすると手を掴まれた。
「それだけか？詫び金だしてもらわなきゃ困るなぁ」
『…貴方にも非があると思いますが』
「は？痛い目遭いたいのか？」
手の力を強められ顔を顰めた時、もう片方の手が引っ張られ、私の身体は誰かの腕の中へと収まった。
「女性の方に乱暴はいけませんね！」
「何だお前！誰だよ！」
「ふふ、そうですか…僕もまだまだ無名ですねぇ」
私を守るように後ろから片手で抱きしめ、丸眼鏡の彼は口角を上げた。
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稲荷(プロフ) - お体気おつけてくださいね(*^^*) (2021年6月10日 20時) (
レス) id: b62dcac460 (このIDを非表示/違反報告)
(^O^) - おぉ!マンちゃんここで登場!シャオちゃん？!Σ(ﾟДﾟ) (2021年5月22日 20時) (レス) id: 54e5655bfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤月セレン
| 作成日時：2021年5月16日 23時
