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「まあまあゾムさん、気持ちは分かるけどどっちにしろAちゃんに悪気は無かったやろ」
「…」
青い人の言葉に滲み出た殺気を収めたゾムだが、その表情はまだ私を拒んでいるように見える。
この空気の中、グルッペンは笑みを崩さず続けた。
「話を戻すと、姫には治癒の力がある。己の手を対象の箇所にかざすと傷はすぐに無くなる…ゾムの時は、おそらく無意識に力を発揮していたのだろう」
「優しい姫サマやん。めっちゃ可愛いし」
「別にそれは関係ないやろ」
何処かで見た橙色の瞳の人物と、その隣で興味無さそうに壁にもたれる紫。チーノ、ショッピだっけ…
街での記憶を思い出している最中も、総統の声は耳に届く。
「つまり、何が言いたいか。お前のその力、俺たちの為だけに使え」
その偉そうな態度に、少しモヤッときた。
私はまだ全然訳が分からないのに何なんだ。否、話は大体分かってはいるが信じれない。そんな御伽噺、存在する筈無い。
『話を進めないで。そんな事有り得な、』
1歩、総統へ近付いた瞬間、横から剣の先が私の首元に当てられた。
「ここで嘘付いて何の得があんねん、ちょっと考えたら分かるやろ。生温い城の中で育ったから頭足りてないんか？」
赤色の瞳と剣先が私を捉え、今まで向けられたことの無い武器に思わず恐怖を覚える。
そんな私に気付き、若干苛立った様子の彼に小柄の彼が言った。
「トントン、剣下ろしてやれ。証拠なら俺の管理室にあるし後で見せたったらええ」
「…まぁ、それで済むんやったらせやな」
すみませんね、お姫様。と言いながら剣をしまう赤色の彼だが、その言葉に感情は込められていなかった。
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稲荷(プロフ) - お体気おつけてくださいね(*^^*) (2021年6月10日 20時) (
レス) id: b62dcac460 (このIDを非表示/違反報告)
(^O^) - おぉ!マンちゃんここで登場!シャオちゃん？!Σ(ﾟДﾟ) (2021年5月22日 20時) (レス) id: 54e5655bfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤月セレン
| 作成日時：2021年5月16日 23時
