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『何を言って…』
「…その様子だと本当に知らないようだな。可哀想というか、実に哀れだ」
ふっと鼻で笑われ、どこか馬鹿にされたような感じがして眉間に皺が寄る。
睨む私を面白そうに見ながらグルッペンは続けた。
「王の家系は代々、何世代かに1人が力を宿している。力の内容は様々、力に関して一般国民や我々にもその事は完全に伏せられそして敵国にも情報が行き渡ることは無い。今まで力を持った本人たちは皆その事を自覚済みだと記してあったが…貴女は過保護な両親のお陰で例外らしい」
__子供の頃に力が確認されたが両親は娘に何も教えなかった。教える必要も隠す必要も無いと判断したのだろう、どうせ貴女は外へ出れないはずだったのだから。
彼が言った事の意味も真偽も考える暇が追いつかない。
どういうこと、私には力がある？何の冗談だ。
『…意味が分かりません。そんな話信じれると』
「仲間の怪我が一瞬にして治った事実がある。なぁ、ゾム？」
グルッペンがニヤリと笑って、視線を緑のフードの彼へ向けた。
軍服の中にパーカーを着ていて表情があまり見えないが、私は見覚えがある。あの時怪我を負っていた人だ。
ゾムと呼ばれた彼は、下げていた顔を上げて口を開いた。
「…せや。確かにいかれた筈の横腹が綺麗に元通りになっとったのは事実やわ。やけどそれとこれとは別やねん、グルッペン」
そう言うとゾムは、私の方を一瞬だけ見た。
「アンタは何も知らん状態でその力ってやつを使ったんやろ？それがもし治癒やなくて攻撃の類いやったらどうやねん。そもそも俺は力とか訳分からん連中の奴と絡みたくないっていうのが本音やわ」
『…すみませんが、私自身もよく分からないので勝手に敵意を向けられても迷惑です』
「は？」
思ったことをそのまま言えば、フードの奥にある目が更に鋭く私を睨み付けた。
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稲荷(プロフ) - お体気おつけてくださいね(*^^*) (2021年6月10日 20時) (
レス) id: b62dcac460 (このIDを非表示/違反報告)
(^O^) - おぉ!マンちゃんここで登場!シャオちゃん？!Σ(ﾟДﾟ) (2021年5月22日 20時) (レス) id: 54e5655bfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤月セレン
| 作成日時：2021年5月16日 23時
