13 ページ13
．
この人の知り合いも、同じものを持っている。
一瞬、どうしてか頭にシャオロンが浮かんだが、そんな訳無いとすぐに考えを振り払う。
大方、偶然同じ物を身につけた友人のことでも言っているのだろう。
『そうなんですね。あと、ごめんなさい…私はまだ行く所があるので』
それより、さっさと軍人である彼から離れたい。
豚のピンを元あった場所に戻し、くるりと向きを変えて先へ行こうとすると人にぶつかった。
外に出てから、何でこんなに人にぶつかってしまうのか。前を見て無さすぎる自分に呆れる。
そう思いながらぶつかった衝撃でよろけた私を、トルコ帽の彼が受け止めた。
「っと、大丈夫？」
『す、すみません』
「気にせんで。でも謝罪より可愛い笑顔でお礼言ってくれた方が俺は嬉しいんやけどな〜」
ニコニコと笑いかける彼は、閉じていた目を少し開いて私を見下ろす。
深緑の瞳と目が合い、どこか見透かされるような気がして私は控えめに彼から離れた。
『ありがとうございました。では、失礼します』
「ふふ、いえいえ。またどこかで会えたらええね」
お辞儀をして、再び歩き出す。
最後は彼と目を合わせないように。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 863人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
稲荷(プロフ) - お体気おつけてくださいね(*^^*) (2021年6月10日 20時) (
レス) id: b62dcac460 (このIDを非表示/違反報告)
(^O^) - おぉ!マンちゃんここで登場!シャオちゃん？!Σ(ﾟДﾟ) (2021年5月22日 20時) (レス) id: 54e5655bfa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：赤月セレン
| 作成日時：2021年5月16日 23時
