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帰ったあと、なかなか寝付けずにいたが何とか寝落ちして朝を迎えた。
着替えて昨日買っていた朝ご飯を食べる。食べ方をいちいち横から指摘してくる執事も居ない。最高だ。
『今日もちゃんと被っとかないとだな…』
布団の上に放られているキャップを見ながらそう呟いた。
昨日はシャオロンに取られたけど、万が一風とかで飛んでしまったら不味い。
城を出てから、軍人に会ったり血だらけの場面に遭遇したり人に私の正体がバレたりと良くないことばかり起きている。
けど、だからって家に籠ったままは普段と変わらないじゃないか。
『今日は何買おう…』
そう考えながら鏡の前で髪を櫛でとく。
出かける身支度を終えて、私は家を出た。
まさか今日、借りたばかりのこの家にはもう帰って来れないとは知らずに浮き足立ってお店を回っていく。
『あ…似てる』
そして、可愛らしい飾り物がある店に、私はひとつの物を手に取った。
それは、シャオロンの髪についていた豚の顔のピン留め。
あまりにもそっくりで、もしかして同じものなのかなと眺めていると、後ろから声をかけられた。
「こんにちは、お嬢さん」
『わっ…』
「ごめんね？びっくりさせたみたいやなぁ」
驚いて振り返ると、そこには綺麗な顔立ちの男性が居た。
頭にはトルコ帽が乗っていて、軍服であることから私は心の中で少し警戒する。
すると、周りの人たちが珍しそうに彼を見ていた。
「オスマン様がなぜここに…？」
「珍しいな、彼も姫探しにでも来たのか」
「ふふ、そんなところめう」
彼はそう言って、近くの女性たちに笑顔で手を振る。
小さく黄色い歓声が上がって、オスマンと呼ばれた彼も有名人なのだろうと察した。
目立ちたくないのに私も目立ってしまうじゃないか。本当に昨日からついてない。
「それ、俺の知り合いにも同じ物持ってる人がおるんよ。やからつい気になって」
白い手袋に包まれた指先が、私の手の中にある豚のピンを指さした。
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稲荷(プロフ) - お体気おつけてくださいね(*^^*) (2021年6月10日 20時) (
レス) id: b62dcac460 (このIDを非表示/違反報告)
(^O^) - おぉ!マンちゃんここで登場!シャオちゃん？!Σ(ﾟДﾟ) (2021年5月22日 20時) (レス) id: 54e5655bfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤月セレン
| 作成日時：2021年5月16日 23時
