【kn,ut】更生なんてするはずがない ページ2
監獄パロ
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身なりを整え、自分の担当場所の牢屋前へ足を運ぶ。今日も仕事頑張ろう。
以前まで別の囚人の見張りを担当していたのだが、最近街で銀行強盗があり、その犯人である6人の囚人たちが無事一気に捕まった。その6人の内の2人の見張りを私は任されている。
「あ、看守ちゃん今日も来てくれたんやね」
私を見つけるなり柵に近づきへらっと笑う青髪の彼を無視し私は定位置につく。
毎日妙に馴れ馴れしくて私的に苦手だ。犯罪者の癖に全く反省している気配が無い。
ギロッと睨めば、「こわぁいっ」とわざとらしい態度を取っていて余計に腹が立つ。私は青髪から隣の牢に居る金髪の彼へ目線を移した。
丁度その濁った水色と目が合い、彼は口を開く。
「毎日ご苦労やなぁ。おもろいんか？」
答えない私を見て、つまらなさそうに舌打ちをする。囚人との私語は厳禁なので当然だ。心の中でその問いに答えるとするなら、面白くなんてない。
2人は元々仲が良いのか、よく牢屋越しで喋っている。くだらなくて私にはよく分からない話ばかりで、たまに馬鹿みたいに笑い転げている時もあってこちらからすれば不快でしかない。
何故この場でそんなに笑えるのか心情を疑う。否、ここに居る時点でこいつらが可笑しいなんて当たり前だろう。
そう、当たり前だったのに。何をしでかすか分かったもんじゃないのに。
こいつらが脱獄する可能性を何で考えなかったの？
施錠がしっかりしてあるか確認するため、私が唯一柵に近付く時間が来た。
金髪の彼から確認しようと施錠部分に触れた瞬間、彼が柵を思い切り殴り、ガシャンと大きな音をたてた。
「はっ、何びびっとんねん」
今までこんなことは無くて、イレギュラーなことに思わず肩が跳ねた私に雑魚を見るような目でそう言った彼、コネシマ。
その光景を見てふふ、と笑いを零す鬱の声が聞こえる。言いようのない不気味な雰囲気にぞわりと鳥肌がたち、すぐに柵から離れようと距離を取った時、背中が何かにぶつかった。
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作者名：赤月セレン
| 作成日時：2021年3月27日 14時
