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暗い路地裏を抜けると外灯に照らされて私の腕を引っ張る男の姿が明らかになる。うわ、髪どうしたよ…。出所明けは必ず坊主だったしコロコロと髪型変わる奴だな。
灰谷蘭であるとほぼ確信的ではあるものの、顔を見たくて覗き込めば「ん？」と視線をこちらに寄越した。ああ、目元が変わってない。それに思わず声が漏れた。
『灰谷蘭だ…』
「俺でーす♡」
『うわあ』
感動の再開？そんな生易しいもんじゃない。正直嬉しくない。こいつらと過ごすなら絶対ブラック企業でも汗水垂らして働いてた日々の方がマシだ。こいつら、なんて弟の竜胆も勝手に加えちゃってるけど。
今は竜胆の姿は見えないがどうせ兄弟よろしく仕事も一緒にやってるのだろう。
蘭は近くに止められていた傷ひとつない車の前で足を止める。『ヒェ、高級車』と感嘆の息を漏らした。
指で助手席を指されて、乗れって合図なのだと察して恐る恐る乗り込んだ。私がシートベルトを締め切る前に車は静かに発進する。
『どこに行ってんの？』
「一旦事務所」
『私も三徹だから早く寝たい』
「オソロじゃんギャルピースしとく？」
『謎のギャル精神まだ健在してんのな』
アラサー男女のギャルピースとか絵面考えてみろよどう見ても地獄だろ。文字だけでもアウトだ。本物のギャルに殺されるぞ。
『ねえ会社倒産するってどういうこと』
「そのまんま。先月お前んとこの上司トンだろ？」
『そう言えば…』
「あいつヤクも垂れ流してたんだけど密輸ルートを他の組織にチクったから俺が飛ばした」
『おま、もうほんと、おま』
平然として運転しながら爆弾投下してくる幼馴染に、あれ？もしかしてこいつ相当やべえ奴になってる？と両手で頭を抱えた。ママへ、私もそろそろそちら側に行くかもしれません。
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「九井〜ターゲット確保こいつ明日からここで働くからよろしく。俺は寝る」
事務所の長い廊下を歩き、あるドアを開けてそう言って白髪の人に手をヒラヒラさせた蘭。もはや事務所というよりアジトの方がお似合いだけどな。
「は？」と九井と呼ばれた男は険しかった顔をさらに険しくさせた。隈えげつないけど大丈夫ですか？
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奏 - どうしてッッッッ！更新停止しちゃうんですかぁ…面白いのに…頑張ってください！更新待ってますからね！o(｀Д´*)o (2022年11月22日 16時) (
レス) id: 59220ffc51 (このIDを非表示/違反報告)
Ayuri**＠作業厨 - すごく面白かったです！更新頑張ってください！ (2022年10月10日 21時) (レス) @page11 id: c6d792f109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：成瀬 | 作成日時：2022年8月31日 17時
