検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:12,253 hit

03 ページ3







『とにかく、お前らに渡す金ねえです。散れ』

「そんなこと言われちゃ困るよAちゃん〜」

『え、名前呼びキモすぎて鳥肌』

「あ?殺すぞ」



あらあら沸点低いでちゅね〜、と煽りが零れそうになったがキレさすと面倒臭いのはこれまでの流れでなんとなく察した。ヘラヘラ笑って今何円あったっけなと考える。
一旦金払えば退散してくれるくね?マズい。早く帰りたすぎて金でよければどうぞどうぞ思考になっている。

溜息をつきながら財布を取り出して1000円札を2枚渡すと「こんだけかよ!」と舌打ちをかまされた。金貰っといてその反応1番有り得なくね。もっと喜べよ金だぞ。さっき晩飯買ったから手持ちねえんだよ。

金がない私にはもう用済みでしょ、と2人の間をこじ開けようとするがなかなか引き下がってくれない。


「どうしようアニキ、今回の回収これだけだと俺たち殺されないか…?」

「それな…」

『知るか』



退かないならお前らの下半身についてる大事なモン蹴るぞ。ダメだ睡眠不足で思考回路が明らかに殺られている。脳内にはベッドとビールしかない。

不意打ちでキメるしかないよな!とマジで相手の股間にかまそうとした瞬間、男2人を超える巨人が現れた。



「お前ら仕事遅くね?三徹目の俺の手煩わせるとかどーなってんの?」

「ヒィ」

「すみませんすみません」



先程まで威勢がよかったチンピラ供は顔を青ざめさせ腰を折る一方だ。ウケる。逆光で顔は見えないが上司的な人か?しかも三徹目って言った?一気に親近感が湧く。三徹フレンドになりたい。酒を飲みながら睡眠の大事さを語り明かした後寝ましょうよ。つまらないの確定で草。

あー、やべ、ここで寝れそうだ。



『あの、帰っていいですか』



ダメ元で聞くが上司さんに「てめェは黙っとけ」と低い声で一蹴された。すみません。私は弱かった。…というか、声に聞き覚えがあるような、ないような。まあ気のせいだろうと思いつつ少し気になって顔を近づける。うーん、やはり逆光。



「なんでもいーから金全部出せ、って、は?」

『すみませんすみません2000円が有り金全部なんです』

「A…?」



早く帰りたい一心でぺこぺこ謝り続けていると、思いがけず名前を呼ばれて思わず顔を上げた。

「は、お前なんでこんなところにいんの」と手首を強く掴まれてやっと気づいた。顔は暗くてハッキリ見えないけど耳馴染みのある声にとある名前を久々に口にした。



『蘭?』





04→←02



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (71 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
208人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- どうしてッッッッ!更新停止しちゃうんですかぁ…面白いのに…頑張ってください!更新待ってますからね!o(`Д´*)o (2022年11月22日 16時) (レス) id: 59220ffc51 (このIDを非表示/違反報告)
Ayuri**@作業厨 - すごく面白かったです!更新頑張ってください! (2022年10月10日 21時) (レス) @page11 id: c6d792f109 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:成瀬 | 作成日時:2022年8月31日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。