76 ページ29
・
「つーかお前最初猫かぶってたけどよぉ、被んなくてもなんだかんだいいやつじゃん」
『な訳』
「そうかー?」
『私が家出する前何してたか知らないからそんなこと言えるんだって』
それに、今私は普通の人ならこうするって考えて生きてるだけだから、私としての行動じゃないはずだ。
語尾を伸ばしながら話すの派手野郎をちらりと一瞥する。派手野郎の頬はやっぱりほんのり赤く、私が見たことにも気づいてないようだ。
……本当に酔ってるのか、酔ったフリなのか分かんねー。
と、派手野郎の方からドンと音が聞こえて再び見てみると、私に背中を向けて寝転がっていた。おいまさかここで寝る気じゃないだろうな??
「ま、過去に何やってたか知らねぇが大丈夫だぁ。過去を忘れることは逃げることと同じだが、その過去を戒めにやり直すことはいくらだってできる」
『え、それってどういう、』
予想もしなかった言葉に一瞬固まったが、問い詰めようとすれば、鼾が聞こえてきて呆れにも似た溜息が漏れた。
ここで寝てんじゃねえよ!居間で寝てたとき布団かけてやっただろうが!!
……。よし、もう寝よう。
静かに立ち上がって部屋に入ろうとしたが、爆睡する派手野郎を見て立ち止まる。なんでこんなところで寝たんだ。
『……はぁ、めんどくさいな』
舌打ちを零し、早足で居間に行く。先程派手野郎にかけてあげていた布団を担いで運び、派手野郎のお腹あたりに投げつけた。次は絶対しないからな!
そのあとは部屋に戻り、即布団に潜った。最初から寝とくべきだった!!
あー、目を瞑っても派手野郎の言葉が頭をぐるぐるする。うざい。
『(過去を戒めに、ねえ)』
簡単にできたら苦労なんかしてない。
氷室さんと戦ったときですら、自分の命に危険が迫ったから氷室さんを殺してしまおうかという思考に陥ってしまったぐらいだ。
だからあのとき迷わず心臓を刺せたんだ。まあ鬼だと知らずに刺したから愛用してた刀折れたけどな!
人はもう殺さない殺したくないって思ってたのに。
……やり直せるもんならやり直したいっつの。
・
2049人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリー - 善逸と面識あるって分かったとき「いやぁぁぁぁあ!!!!善逸ぅぅぅぅぅぅ!!!!(歓喜の叫び)」ってなった。 (2021年6月3日 5時) (レス) id: 6d42949a76 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬(プロフ) - すずなさん» 返信遅くなって申し訳ありません!まさにそれです!!語彙力皆無なのに分かっていただけて嬉しい.........!感激です!!更新頻度とてつもなく遅いですがどうかこれからもお付き合いしていただけるとうれしいです! (2021年1月1日 11時) (レス) id: 0005ea8ca7 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - 面白いです!あと岩の訓練のやつってハンターハンターですか?グリードアイランド編の! (2020年5月23日 9時) (レス) id: 5706aaffc1 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬(プロフ) - ばーどさん» コメントありがとうございます!えっっめっちゃ嬉しいです!!私が悪いんですけど不定期更新のことをポジティブ的に言っていただいて本当に嬉しいです笑不定期ではありますが頑張ります! (2020年4月15日 17時) (レス) id: 0005ea8ca7 (このIDを非表示/違反報告)
ばーど - このお話大好きです!不定期更新でもいつ更新されるかわからないドキドキ感があるので焦らず更新頑張ってください! (2020年4月12日 22時) (レス) id: 12bcc99cbc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:成瀬 | 作成日時:2020年1月7日 15時