【鬼滅の刃】存在がうるさい。

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頭と胴体が斬り離された鬼は徐々に消えていく。

その鬼を斬った張本人である炭治郎は、静かに刀を閉まって何故か鬼に近付いた。

鬼はというと炭治郎に向かって手を伸ばし、一方炭治郎はその手を祈りを捧げるように優しく両手で掴んだ。

その一連の動作を見ていた私は疑問に思う。何してんだろ。

ふと別の方に転がっている鬼の頭の方を見れば、なんと目から涙を流していた。なんで死ぬ直前で泣いてるんだろうか。

恐らく私には一生理解できないものなのだろう。





｢神様、どうか、この人が今度生まれてくるときは鬼になんてなりませんように｣





そう呟く炭治郎から無意識に目を逸らした。

ああ、やっぱりここは私がいていい場所じゃない。

炭治郎は優しすぎるな。





なんとなく逃げ出したくなって、足音を完全に消してその場から立ち去った。





▽





｢お帰りなさいませ｣

｢おめでとうございます。ご無事で何よりです｣





最終選別が始まって7日後の早朝。

最終選別が始まる前に集まっていたところへ行くと、白と黒の童が出迎えた。

炭治郎が倒した鬼ほど強いのはいなかったし、私の場合問題は鬼より食の方だったんだけどなんとか大丈夫だった。

なんか猪の頭した人(？)がでっかい声で｢これ食えるけどまずい！これは無理だ！毒！おっこれ美味いやつ！｣って食べ物を選抜してたから、猪頭がいらなくて食えるやつを勝手に貰ってました。てへ。

勝手に尾行しててごめんね！

最初は完全に気配消してなかったんだけど、突然後ろ振り向かれたときはちょっと心臓止まった。

なんでそんな気付くやつ多いの？炭治郎と言い、善逸と言い……。

まあ途中からバレそうだったから完全に気配消してやりました。



昨日まではその猪頭見たはずなんだけど、この場にはいなかった。死んじゃったのか？尾行するだけして悪いことしたな。

で、この場に残っているのは私を含めた5人。顔見知りとなった炭治郎と善逸が残ってて一安心だ。

まあ善逸さっきから｢死ぬ死ぬ死ぬ｣しか言ってないけどな……。




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