【鬼滅の刃】存在がうるさい。

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___水の呼吸 弐ノ型 水車



呼吸を使って応戦する炭治郎を上からぼーっと眺める。

炭治郎は、いつの間にか足を鬼に掴まれていた男の人を救出していた。





『(場慣れてないなあ、)』





緊張からなのか体の動きが固い。それに加えてちょっと怯えているのか、足と手が震えている。

まあ確かにこの鬼はデカいけれども。そんなには強くない。攻撃遅いし。

と、謎に鼻をクンクンかがせている炭治郎が唐突にこちらをみた。そして目があった。ような気がした。

……あっれこれは善逸に見つかったときと同じパティーンでは？





｢この匂い……A！そこにいるのか！？｣

『(なんでー！？)』





まじで笑えない。

善逸は音がどうとか言ってたけど、炭治郎は匂いか！？それで居場所が分かるってどうなってんだよ。

というか待てよ……？音に関してはなるべく消しているつもりだ。足音や息遣いをはじめとする動作全て。

なんで善逸は分かったんだ？





｢A！いるなら出てきてくれ！｣

『まさかのご指名キター』





死んだ魚のような目をして、あざーすと小さく呟く。

それなら出ていかざるを得ない。刀を持って飛び降りると、鬼から｢貴様、稀血か……！｣とニヤニヤしたきもい反応をいただきました。あざーす……。

そして炭治郎は振り向かずに言った。




｢これは俺が倒す！その人を守ってくれ！｣

『ええ……私弱いから……』

｢匂いで分かる！Aは強い！｣

『(はぁ？)』





鼻どうなってんだよ。

付け加えられた｢頼んだ！｣という言葉に、眉を寄せる。

腰がすっかり引けてしまって座り込んでいる男の人に目を向けた。あ、やべ。無意識に冷たい目で見てしまった。

それを向けられた本人は、さらに怯えた。

……けど。こいつはもう死にそうだから別にいっか。

戦う気がもう完全に消え失せて、怯えきってる。

どれだけ強敵で怖くても怯えても炭治郎みたいに死ぬ気で戦わないと。

一度挫けたら、戦いから目を背けたら殺られるよ。





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