【鬼滅の刃】視界がうるさい。

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宇髄天元side





『まじで有り得ねー……久々にこんなにやったら明日筋肉痛確定じゃねぇかよ、手足バッキバキだわ』





夕刻。

風呂から上がれば、先に風呂に入らせたAは居間でブツブツ言いながら包帯を取り替えていた。

誰にも聞こえない独り言のつもりなんだろうが、生憎耳はいいんでね。悪いが丸聞こえである。



久々、ねぇ……。

その言葉から考えられることはいくつもある。

が、本当に自分のことは何も言わないやつだから何があっているのか分からないところが問題だ。

小さな呟きを聞き取られたことは露も知らないクソガキは『明日は怪我が悪化したフリしよ』とさらに呟いた。

ははっ、だから丸聞こえなんだっつの。させてたまるか！



こいつが足音や物音に敏感なのは訓練をしていてよーく分かった。

俺と少し違うのは、こいつはただの“音”に敏感なだけだということだ。要するに、話し声の内容とかは遠くだと聞き取れない。



そんなAは訓練中に家事をしている嫁の足音、小鳥の羽ばたく音、風の音に気を張り巡らせていた。

こいつ気を休めるってこと知ってんのか？と思うぐらいには常に周りを警戒している。





｢(ほんと、信用されてねぇよなあ)｣





警戒心の強いAを視界に入れて苦笑した。





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