【鬼滅の刃】視界がうるさい。

39 ページ40

・





『ふぅー……久しぶりに疲れたな』





宇髄天元と風呂の譲り合い(もはやなすりつけ合いだった)をしていたら、起きてきた須磨さん含めた嫁3人に｢Aちゃん先に入って！！！｣と声を揃えて言われ、半ば強制連行された。

渋々風呂に入ったあとは丁寧に包帯を巻かれ、1番サイズの小さいらしい須磨さんの着物を着させてもらった。

私が風呂に入っている間に袖と裾を私に合わせてくれてたとかなんつー嫁っぷりだろうか。私もそんな嫁が欲しい。切実に！



部屋に入り、一息つく。既に敷かれていた布団を見て嫁3人に感謝した。特にやることもないので布団に潜り込む。





『……あー、刀どうしようかな』





いつも傍にある刀がない。つまり、自分を守る術がない。

それだけで酷く不安になる。誰かに命狙われたらどうしよう。

過去にあんな仕事をしていたもんだから、人の恨みを買われるのは当然。

今暗殺はしてないとはいえ、命を狙われる可能性は低くても、絶対に狙われないということもない。



ここから逃げ出す前に刀買わないとな……ってそもそも簡単に売ってなかったわ。

裏ルートからなら金さえあればすぐ手に入るんだけど。もしそこから刀を入手すれば家族に居場所がバレるかもしれない。それは避けたいところだ。

派手野郎、使わない刀持ってたりしてないかなあ。





『……いやダメだわ。宇髄天元みたいな刀は振り回せねぇわ』





あいつの刀ちょっと変わってるんだった。包丁の大きいやつみたいな？あんな刀見るのも初めてだ。

今まで使ってた刀がいくら重かったとはいえ、宇髄天元のは重すぎる。

しかも二刀流とか舐めてんのか。私に扱える訳がない。





『はぁ……』





これからの生活を想像しただけで溜息が出る。

あいつ、怪我治り次第訓練始めるぞとか言ってたんだけど。

訓練ってなんだよ訓練って。



そこまで考えて暗殺時代にしていた1番嫌いだった訓練を思い出し、顔を青ざめさせた。

……え？耐性つけるために毒飲めとか言われないよね？流石にないよね？？

そんなのされたら即逃げ出そう！！

そうして私は眠気に抗うことなくゆっくり瞼を下ろした。





・

40→←38

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す