【鬼滅の刃】視界がうるさい。

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片付けがほぼほぼ終わり、店長さんから｢夜遅いし危ないからもう帰りなさい！｣と帰宅命令が下された。

流石に今日お金はもらえない様子。当たり前か。

宇髄天元まだ待ってんだろうな……。考えただけで溜息が出る！



私の場合夜出歩くことは全然危なくないんだけど、見た目はただのガキなので一応ここら辺でおいとますることにしよう。

派手なお兄様と全力で帰りたくなかった私は裏口から出る。

まあ派手なお兄様と帰りたくなかったっていうのは建前で、他の人を巻き込みたくなかったから。

……いや、これも建前かな。

本音は、これから起こるであろうことを見られたくないからだ。

人を殺すことに躊躇なんてなくなってしまって醜く染まった私は、この暗い夜にはよく馴染む。



表の通りに出ようとすると、背後から殺意を感じすぐさま後ろを振り向いた。





『来ると思ってたよ氷室さん』

｢ふふふ｣





満面の笑みを浮かべる上機嫌な氷室さんは、月明かりに照らされてちょっと不気味だ。

さっきまでは見られなかった牙が剥き出しになっており、爪も人間の爪じゃない。まじの化け物じゃないすか……。

表の通りでないこの道にはいいのか悪いのか、私たち以外には誰一人いない。





｢稀血なんて初めて食べるわぁ｣

『はぁ、マレチマレチうるせーよ』

｢あら、愛想のいいガキはどこに行ったのかしら｣

『素は愛想なくて悪かったな！』





私のこと殺そうとするやつに猫被る必要ないし。なんでそんな労力使わなきゃいけねぇんだよくたばれ！！って感じだ。

向こうが殺す気で来てんならこっちも殺す気で行かなきゃ負ける。

氷室さんはゆっくり近付いてくる。私は着物に潜めていた刀を抜き、構えた。





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