【鬼滅の刃】視界がうるさい。

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私の腹の音を耳にした男たちは、ははは！と笑ってさらに私に近づき肩に触れてくる。笑ってんじゃねーよ！？ショック死の次は恥ずか死か……。


ついて行くことを考えればここで反抗するのは愚行だ。肩に触れられた手を振り払うことができずぐっと堪える。





｢ほらほらー、お腹の方はもう限界なんじゃね？｣






Aちゃーんって名前を呼ぶこいつらきもすぎない？馴れ馴れしすぎなんだよてめえら。

アハハーと笑みを浮かべるが、なんか頬が引き攣りそうだ。

……よし、こいつらに付いて行って、何かされそうになったり請求されたりしたら逃げ出すか。

何より体が限界だ。食欲には勝てない。まだ死にたくないし。飯にありつけるのはありがたい。





『じゃあ、……え、は？』






覚悟を決めて口を開いたのに、『お願いします！』と後に続くはずの言葉は驚きで出てこなかった。

突然、私の肩に触れていた男が吹っ飛ばされる。……吹っ飛ばされた？

視界にデカい人物が入ったときにはもう残りの男も同様吹っ飛ばされて地面に倒れ込んでいた。

思わず口がぽかーんと開く。この状況を必死に理解しようと頭を働かせるがさっぱりである。





｢おいお前大丈夫か？嫌なときは嫌って言わねえと｣

『……』






誰 だ こ い つ 。

頭に宝石のついた額当てを巻いており、左の目元に赤い模様があるのが目立つ。ただただ怪しい。

吹き飛ばされた男たちはと言うと｢ひ、ひぃ〜｣なんてみっともない声を上げながらどこかへ行ってしまった。あっ飯……！！

くそお今日はとことんハズレだな！覚悟を決めてついて行こうとしたら邪魔が入るってどういうことだよ！？飯を食える未来が消え去ったじゃねぇか！！



キッと派手なデカい男を睨むが、そんなのは微塵も気にしてないようで声をかけてくる。






｢こんなところに1人でどうしたんだよ｣

『(……待てよ。助けてくれたってことはこいつ悪くない人だよな。つまり？飯を強請れば恵んでくれるかもしんない！タダで！！)』





ここまできたらどんな手を使ってでも飯にありついてやる……！食ってやる今日食えなきゃ真面目に死ぬ！！

その一心で、困ったような表情を作った。





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