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嘘百つ ページ50

「で、でも無断で鍵を開けるだなんて・・・」

言い逃れのできない犯罪行為である。

「警察みたいなことを言うね。
物証なしで動き、状況証拠をもとに住居侵入でも何でもやるから私は『嘘憑き事件』を解決出来ているんだ。
それとも何だい?
キミは奥苑 未玖を発見してほしくないのか?」

「そ、そんなはずありません!」

「なら黙ってみていたまえ。
手遅れになってから後悔しても遅いよ?」

「・・・わかりました」

二階には六つの部屋がある。

太宰は一つ目の部屋の鍵を開けた。

・・・誰もいない。

客間のようだ。

太宰が二つ目の鍵に取り掛かっている間、真依は部屋の中を捜索した。

ベッドの下やクローゼットの中などを重点的に探す。

だけど・・・いない。

一つ目の部屋を探し終えて戻ると、二つ目の部屋が開いていた。

だが扉を開けっぱなしにしたまま、太宰が固まっていた。

「どうしました?」

真依が尋ねると、太宰が部屋の中に足を踏み入れた。

真依も部屋に入ろうと扉に近づくと、粘り気を帯びた鉄の臭いがした。

「この臭いって・・・」

部屋はカーテンが閉まっており、仄暗い。

太宰が部屋の明かりをつけた。

「ひっ・・・」

一瞬怯み、そしてすぐに分かった。

この臭いが何によるものなのか。

驚きはすぐに恐怖へと変わり、そして・・・感情が爆発した。

「きゃああああぁぁぁぁぁぁぁ!」

真依は悲鳴を上げた。

何があったのかと来栖と国木田が二階へ駆け登ってくる。

国木田を押しのけて先に到着した来栖は、真依を突き飛ばした。

「きゃっ・・・」

「っと」

床に肩を打ち付ける寸前、手が伸びてきて、身体が支えてられる。

助けてくれたのは国木田だった。

「大丈夫か?」

「はい、ありがとうございます」

「怪我がなかったらそれでいい」

「それより、あれ・・・」

国木田がうっ、と呻き声をあげる。

部屋に敷かれたカーペット。

そこには大きな血の跡が広がっていた・・・。

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作者名:アオ x他1人 | 作成日時:2018年3月6日 23時

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