Beaming . (ページ18)

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弱点ページ18

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作「雨めっちゃ凄いね」
「ほんとだね〜走り回りたくなる」
作「え？」
「雨に濡れたくなる時無い？」

無いでしょ、あるよ、という
低レベルな言い争いをしながらスタジオへ向かう。

今日行くレッスン室は初めて行く場所。

方向音痴代表取締役の私は皆にメールして
1番早くに返ってきた作ちゃんと一緒にやってきた。

ザァザァと窓を打つ雨音は趣きがあって嫌いじゃない。

スタジオへ続く廊下を並んで歩きながら
でもそろそろ青空が恋しいとぼんやり思っていた時。

「ひっ、… ！？」
作「えっ停電？」

急に辺りの照明が全て消えて暗闇に包まれた。

不運にも丁度地下1階への階段を降りた所で
窓からの光も一切感じられない。

心臓がバクバクと脈打ってその場にしゃがみこんだ。

作「 A大丈夫！？」
「だいじょぶくない、」

虫も高い所もお化けも基本大丈夫な私が唯一苦手なもの。

作「暗いとこ苦手だったよね、」
「うんごめん … 動けない」
作「落ち着いて、大丈夫だよ」

小さい頃。色々あって倉庫に閉じ込められた事があって。
実際には20分くらいの間だったらしいけど
幼い私にとってトラウマになるには十分だった。

それ以来暗くて狭いのが本当に怖くて。
今ではかなり克服したつもりだったけれど。

暗いと分かってるのと急に暗くなるのでは
段違いの恐怖が襲うのだとこの瞬間思い知った。

呼吸が乱れる。
膝が震える。

作「っ、見つけた」

そうっと伸ばされた手が少しだけ背中に触れて。
その後で温もりにぎゅうっと包まれた。

優しくて、少しぎこちなくて。

「さくちゃんどこ行ってたの、」
作「近くに居たよずっと」
「もっと早く来て」
作「うんごめんごめん」

照れ隠しに可愛くない言葉ばかり出てくる。
その間もぽんぽんと背中を撫でてくれた作ちゃん。

雨音のお陰で心臓の音
聞こえなくて良かった。

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