変化の話。 ページ37
Ren side
『れん、』
甘ったるい声が廊下から聞こえて、振り向くのもちょっとうんざりした。ドアの前に立つのは一個上の先輩。Aちゃんの同級生だけど、多分正反対の人なんだと思う。短いスカートに絶妙に校則に引っかからない髪色で、化粧慣れしてる顔。近付けばよくわかんない甘い匂いがする。
「なんスか、」
『ねぇ、そんなつまんなそうな顔しないでよ、笑』
実際つまんないし。
早く昼になんねぇかな、Aちゃんに会いたい。
『最近全然連絡くれないからさ。今日どっか行こ？』
「いや、今日はいいや。間に合ってるんで」
『…れん、彼女出来た？』
上向いたまつ毛で上目遣いされても、全然響かない。
てかその呼び方やめてほしい。馴れ馴れしいし。
「…なんで？気になる？笑」
わざとそんな聞き方をすればその気になったと思ったのか艶っぽい顔して俺を見た。
…こういう、色んなことに慣れた女が好きだった。大人っぽくていかにも年上って感じの。でも今はもうそんなことどうでもいい。慣れてるとか慣れてないとか一切俺の中で必要なくなった。
男とか女とか関係なく「友達」と会話すること自体不慣れな彼女のテンパった顔が浮かんで、可愛いなやっぱり、なんて思う。目の前に話してる人がいるのに別の女思い浮かべてるってのもなかなかやばいか。
『そりゃあね、だって全然遊んでくれないんだもん』
「…まぁ、別にもう興味無いんで」
『…じゃあ合コンしよ！可愛い子に声かけるし！れんも連れてきてよ、翔太達』
そもそもこの女は、俺らが見た目だけで靡くと思ってる。その時点で間違ってんだよなぁ…まぁ、前までの俺ならそう言われたら合コン行ってたし、それなりに遊んでたからそう思われてもしょうがないんだけど。
多分、みんな気ままにやってた。今が楽しけりゃいっか、みたいな。特別興味ある何かがある訳でもなければ喧嘩してたら基本忙しいし。
でも、今は毎日を過ごす『理由』がある。守りたいと思う人がいるから。
『そんな価値のある人間じゃないよ…』＿＿＿＿…価値ってなに？
守りたいと思うことに価値なんているの？俺らがAちゃんのことを大事に思って、守りたいって思ってる。それだけじゃ駄目なんだろうか。
彼女はいつも自分で自分を否定してる。その分他人を優先して、優しさを他に回してる。いつか俺らが彼女の手を離してしまうんじゃないかと、ずっと不安を抱えてるんだ。…そんなわけない。むしろ俺らの方が、不安なのに。
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薄荷(プロフ) - 乃亜さん» コメント、そしてリクエストありがとうございます！おぉ！いいですね(∩´∀`∩)続編の章での執筆となってしまいますが必ず書きますのでまたいつでも遊びに来てください！(´；ω；｀) (2021年11月9日 15時) (
レス) @page46 id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
乃亜(プロフ) - 更新楽しみにしてました^^*。需要があるかは分かりませんが、康二くんと二人の放課後を見てみたいです！ゆっくりの更新でもとても楽しみにしているので主様のペースでまたの更新を楽しみにしています！ (2021年10月21日 20時) (レス) @page35 id: ff393a1240 (このIDを非表示/違反報告)
薄荷(プロフ) - 絵美さん» コメントありがとうございます！リクエストいいですね！更新は遅くなってしまうとは思いますが是非とも書かせて頂きます！またいつでもお越しください(o^∀^o) (2021年10月21日 16時) (レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
薄荷(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます！！そのお言葉本当に嬉しいです(；；)更新遅くてすいません…またいつでもお越しくださいね(*´▽｀) (2021年10月21日 16時) (レス) id: a41569d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
絵美 - 初めて読みました。とても面白いです。リクエストは、よろしいでしょうか？主人公の家にみんなが遊びに行くのとか見たいです (2021年10月13日 15時) (レス) id: 8e0e6c836c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薄荷
| 作成日時：2021年7月12日 11時
