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体力が万全になったサキとサナはその場で立ち上がると、近くに置いてあった自分たちのマスクを手に取ると、外へと通じる扉に向かって歩いていった。
｢えっと……外に出るのか？｣
『そうだ……私たち喰種はお前やその後ろのお前などとは違う存在だからな』
｢私とサキは今まで2人だけで生きてきた……多分これからも変わることは無い｣
サキとサナはそう言い残すと扉を開けて外へ出ていった。
その様子を呆然と見ていたリムルとベニマルだったが、リムルがベニマルに様子を見てくるよう言うとベニマルもその場を後にした。
2人きりでジュラの大森林をあるいていたサキとサナは同時に足を止めると辺りの匂いを嗅ぎ、木の上に上がった。
『さっきから私たちに着いてきてるみたいだけど、何か用でもあるの？』
｢貴方が私たちをあの場所へ連れて行った……それは感謝するけど私たちと貴方たちだとその差は計り知れてる｣
｢いや俺はリムル様にお前たちの様子を見てきて欲しいと言われたんだ｣
ベニマルのその話にサキとサナがお互いに目を合わせると木の上から飛び降り、マスクを外すとベニマルにサキが聞いた。
『見たところここは私たちがいた世界じゃない……一応聞くけど貴方はなんなの？』
｢俺は大鬼……鬼人族のベニマルだ。
元は大鬼族の次期頭領だったが訳あってリムル様に仲間と共に助けてもらい、鬼人族へと進化した｣
サキとサナは顔を見合わせると1つ頷き、ベニマルに顔を向けると自分たちのことを話し始めた。
『私はサキ、隣は双子の妹のサナ。
両親はCCGという私たち喰種を駆除する人間たちによって殺された……私たちと同じ双子の半喰種のクロナとナシロもいたけど行方は分からない』
｢ここに来る前、私たちはそのCCGの死神に会って戦いを挑んだけど私たちは負けて殺された｣
サキとサナはそうベニマルに話すと、このことをリムルに話したいと2人に言い、2人は戸惑いながらも了承した。
｢———なるほどな……ところで2人の食事のことなんだけど、ある国の王が最近その国の領地内に赤い服に骸骨のマスクを被った人達が亡くなった状態で倒れていると聞いた。
その事で2人は心当たりあるか？｣
『多分私たちの所属していたアオギリの樹の者だと思う……同胞喰いになるけど飢餓状態になるよりはマシだと思う』
サキがそう言うと後日リムルの町にその亡骸が馬車で運ばれ、2人は与えられた家の中で食事を摂っていた。
｢貴方たちの分まで強くなるから……｣
『サナ、私はあのリムルとか言う人間のこと信用していいと思う……CCGと戦ってきた私たちにあんな目を向けてくれたのは、あの方だけだから』
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作者名：レナ | 作成日時：2023年11月29日 2時
