おかあさん1 ページ2
宮城県杉沢第三高等学校———。
この学校には入学したての高校1年生である1人の男子高校生と、この高校の副生徒会長である2年生の女子高生の姿があった。
女子高生の方は生徒会に入っていながらも過去に存在していた世界の偉人が好きで、それと同時に世の中からもう存在しないとされていた魔術も尊敬している少し変わった生徒だった。
そんな彼女、基虎杖Aはこの日も教室で1人、念願だった魔術書を入手し、その本の中に載っていた召喚術を読んでいた。
そんな時教室のドアが勢いよく開き、現生徒会長がAのいる教室に入ってきた。
「虎杖副生徒会長!」
『どうかしたんですか?生徒会長』
「君の弟である虎杖悠仁くんが今の時間いる場所を君なら知っていると思ってね……暇そうだから着いてきてもらおうと思った次第だっ!」
生徒会長の口からAの弟である悠仁という言葉を聞いたAはガタリと席を立ち、生徒会長の前を歩いて家庭準備室の前で立ち止まった。
その教室からは弟の声がダイレクトに響き、Aはその次に聞こえてきた話し声に肩を震わせた。
「生徒会長がギリ負ける生き物を教えてください!……おっ?
———クリオネだって雑魚〜っ!」
その会話がツボにハマったAは廊下でしゃがみこみ、笑っていると陸上部顧問の教師である高木がAの弟の悠仁を陸上競技での勝負を挑んだ。
その事を聞いていたAは、教室から自らの手で装飾した2枚の団扇と自身のスクールバッグに先程まで読んでいた本を入れてグラウンドに向かった。
グラウンドでは既に高木と悠仁の勝負が始まっており、悠仁のすぐ後ろでは彼の姉であるAが両手に“悠仁”と書かれた団扇を2枚持ち、熱烈な応援をしていた。
その後高木の記録や世界記録を余裕で塗り替え、オカ研である3人の前にAが歩いてきた。
『悠仁、そろそろおじいちゃんのところに行かなきゃ』
「そうだった!……じゃあ先生、俺ら用事あるんで」
そう悠仁が言うと、悠仁の手を握ったAと共に凄まじい速さで学校から走っていった。
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作者名:レナ | 作成日時:2023年7月18日 15時