怪盗の兄、公安、組織の一員…これ、トリプルフェイスか？Ⅷ (ページ25)

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三百六十二話ページ25

No side

日比谷公園から少し外れた場所に位置する廃倉庫。
その中には複数の男性と、二人の女性の姿があった。

？「よくあんなこと思い付いたわね、すでにいる犯罪者も絡めて捜査を混乱させようなんて」
？「そうすれば、捜査の目が私たちからは離れるでしょう？」

そう言った女性の腕には、火傷のような真新しい傷があった。

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松田side

日比谷公園に着くと、派遣された捜査員での爆発物の大捜索が始まった。
もちろん内通者から犯人達へ情報が伝わっていないとは限らないため、慎重にではあるが。

萩「広すぎ、茂みの中にあったら見つかんねぇ」
松「泣き言うな」

元機動隊のこいつは何を言ってるんだ。
解体だってやりゃできるのにはなっから諦めかけている。

気持ちはわからなくもないが、そうは言ってもこれだけの人数がいるのだから、見つからない方がおかしいレベルだ。

捜「あった！ありました！」

声のした方へ人がゾロゾロ流れていく。
見つけた捜査員の前には確かに赤いランプが点滅する、普通ではないものが設置されていた。

見た感じよくあるタイプのようで、解体も困難ではなさそうだ。

機動隊員がパチパチとコードを切っていくのを横目に、怪しい人物がいないか、公園内をぐるりと見回すが、特にそう言った人物は見受けられなかった。

もう一度爆発物に目線を移すと、すでに最後のコードを切り終えたところだった。
ふとその横に、白い紙のようなものが埋められていることに気づく。
解体し終えたそれをどかしてもらうと、紙を拾い上げると、封筒に入れられ綺麗に封がされていた。

設置するときに気付くほどの位置にあったわけで、おそらく犯人が意図的に置いたものだろう。
その証拠に封筒の右下には《dependre》の文字が綴られていた。

萩「陣平ちゃんどうした？」
松「……おい、これまずいんじゃねぇか？」

呟いた言葉は案外かなりの人数に聞こえていたらしく、こぞって紙を覗き込んだ。

封筒から出したその紙には

《お疲れ様よく見つけたね、しかし残念、その爆弾はダミーだ。さて君たちはもう一つを見つけることができるかな》

という文章。

しかも手がかりはない、これはまずいことになった。

雪「…あれ？…立神さん？立神さんがいません！！！！」

背後で大声をあげたのは、内通者ではないかと疑いをかけられていたうちの一人である雪村茜だった。

コメントくださいﾁﾗ…(’ ・ω|