45話 ページ46
結貴野side
今日はもう遅いからと、客人用の部屋へと案内された私達。
羽実果は部屋に入るとすぐに眠ってしまったが、私はどうも寝れなくて部屋のベランダに出た。
松野ファミリーに入る。
とは言ったものの、ちょっと未だにモヤモヤしている自分がいる。
“本当にこれで良かったのか”とか、“本当に信頼できる人たちなのか”とか。
余計なことばかり考えてしまうのは、昔から私の悪い癖だ。
でも今回ばかりはそうも言ってられない。
ファミリーに入るという事は、いずれは私達の過去も彼らに話す事になるのだろう。
もしかしたら既に調べがついているかもしれない。
それでもおそらくは聞かれると思うのだ。
私達がなぜ暗殺者になったのかを。
理由は至ってシンプルだ。
ただただ親の仇を討ちたかった。それだけ。
最初はもちろん暗殺者になる気なんて毛頭なかった。
でも、警察には調べることが出来ないと知って、気がつくとこうなってた。
いつの間にか異名が付けられ命が狙われ挙句の果てにはマフィアに勧誘を受けた。
別に嫌なわけじゃない。
嫌なわけじゃないんだけど……。
お「結貴野ー?まだ起きてんのかー?」
どこからか声がした。
おそ松だ。え、どこにいんの?こっわ!?
お「上だよ!つか声でてるわ!」
あ、出てました?すみませんね。
結貴野「おそ松?何してんだあんた…」
お「いや、俺も寝れねえからさ〜」
さっき会議室ですっごい暇そうな、眠そうな顔をしてた奴がか。
お「まぁいいや、結貴野が何考えてんのかはわかんねえけどさ、いつかは教えてくれよ、お前らの過去、拒絶したりはしないからさ」
エスパーかな?
何で私がさっきまで考えていた事がわかってんだよ!
そんじゃあな!と言って部屋に入っていく。
少しだけ安心してしまう自分がいたことを、ことの時の私は知らない。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:スノーローズ | 作成日時:2017年6月12日 8時