37話 ページ38
羽実果side
あーぁ、結貴野行っちゃったよ。
今ここがどこかわからない私を置いていっちゃったよ……。
建物のどこよここ。何坪あるんだよここ。
ト「……あ、えっと…羽実果ちゃん、助けに来てくれてありがとうね」
いつの間に本名知ったのこの人。
十中八九結貴野だけど。
それでも隠す気は毛頭ない。
異名や偽名より、本名を呼ばれた方がずっと気分がいい。
羽実果「姉さんが嫌な予感がするって言って来ただけだから私そこまで何もしてないんだけどね」
ト「でもここのセキュリティ結構高いんだよ?入ってくる時羽実果ちゃんがハッキングして侵入したんじゃないの?」
お見事。
ハッキングしない限りここには多分入れない。
結貴野が結構な大暴れをしても相手にバレてないのはそのためだ。
でもさっきものすごい音がしたからどっかの扉を大破させたのかもしれない。
とすると、バレるのも時間の問題。
ト「それはそうと、羽実果ちゃん、今、屋敷内のどこにいるのかわかってないでしょ」
ギクリ。
羽実果「あはは…いやぁ、いや本当にごめんなさいどこかわかりません、てかここどこ」
ト「やっぱり…でも下手に動くとまずいんだよn…((ガシャーン……うわぁ!?」
音がしたのは結貴野が走っていった方だった。
ていうか、これ後からでも追って行けば結貴野と合流出来るんじゃない?
羽実果「二人共動ける?」
十「僕もう大丈夫!」
ト「僕もなんとか動けそうかな」
横でぴょこぴょこ跳ねてる十四松と、手をグーパーしてるトド松。
二人共どうやら大丈夫そうである。
羽実果「じゃあ姉さんのところ行こうか」
十「あいあい!」
前を走り出した十四松を追いかける。
結貴野達のいる場所に行って何が出来るわけでもないかもしれないが、足でまといになる、ならない以前に何もしない方がよっぽど嫌なのだ。
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作者名:スノーローズ | 作成日時:2017年6月12日 8時