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19話 ページ20

羽実果side
客船沈没事件から一夜明け、私と結貴野は学校に来ていた。

教室に入ると、聞こえてくるのは昨日の沈没事件の事ばかり。

かなり大きな客船だったし、突然の爆発に、射殺事件までかぶっているのだから大騒ぎになるのも無理はない。
と、結貴野が言っていた。

現にテレビをつければそのニュースばっかりだったし。

そんなわけで、現場を見ていた私達は冷や汗状態で一日を過ごすことになった。

結貴野「まさかここまで大騒ぎになるとは…夜中だからって油断してた…」
羽実果「でも犯人のことについては全く触れられてないね」
結貴野「裏社会のオークションをやってたんだから表に知られちゃまずいんでしょ?」

結貴野がはぁ、と本日何度目かわからないため息をついた時だった。
廊下にいた教師数名がひそひそと何やら話しているのが耳に入る。

教a「あの車まだいますね」
教b「こういうのって警察に連絡した方がいいんでしょうか…」
教c「でもさっき誰もいなかったんですよね…」

車?
どうやらその話を私の横で聞いていた結貴野は黙って窓に近づくとその車とやらを見てまたため息をついた。
幸せ逃げるよ?

結貴野「ねぇ、羽実果、私ね、あの人達本当に馬鹿だと思う」
羽実果「……ヱ?…」←

結貴野の突然の馬鹿発言。
携帯を弄りつつ結貴野の話を聞いていたため結貴野の表情を全く見ていなかった私は、なぜ急にそんなことを言い出したのかがわからなかった。

何が?と言いかけて結貴野を見ると心底呆れたような顔をしている。
あ、これ普段私が向けられてる目だ。←

そんな事を思いながら結貴野の視線の先を見た私は、空いた口が塞がらなくなってしまった。

結貴野、あなたがあの人達(・・・・)を馬鹿と言った意味がやっとわかったよ。


……松野ファミリーさん?あんたらマフィアなのに真っ昼間からそんなわっかりやすいところに路駐して何してんの…。

結貴野は誰にも聞こえないようにぼそっとそう呟いた。

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作者名:スノーローズ | 作成日時:2017年6月12日 8時

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