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第13話 ページ15

結貴野side
羽実果に十四松さんのボールを託し、私は家に帰っていく。

お母さんは赤塚区にはいない。
別の場所で仕事してるから。
私達だけでこっちに来たのだ。

だからご飯も洗濯も掃除も、全部自分たちでやらなきゃならない。

だから羽実果にボールを託して帰路についた。

?「ん?あれ、結貴野?」

前方から聞こえた声の方を向き、暗闇を見据える。
暗くて誰だかわからない。

お「やっぱそうだ」
結貴野「おそ松さん!?」

おそ松さんだったのか。買い物袋を下げているから多分買い物帰りかなにかだろう。
って言うか……

結貴野「あの、お二人共、見えてます」

おそ松さんの後方の電柱二本におそ松さんによく似た二人のシルエット。

一人はパーカーの袖をまくっていて、一人は髪がツンツンしてるから、カラ松さんと一松さんだろうか。

というかなんで隠れてるのあの二人。

一「結貴野じゃなかったらどうする気だったの兄さん」
お「えー、たぶん結貴野だと思ったし」

なんだそのアバウトな思考。

お「今日は羽実果いねえの?」
結貴野「十四松さんにボール届けに行きましたよ?」

まさか上から降ってくるとは思わなかった。
一体どこで野球してたんだろう。
かなりの衝撃だったよ?あれ。

カ「これから帰るのか?」
結貴野「夕飯作らないといけないので」

こんな所で駄弁ってたら夕飯の用意が遅れて羽実果にどやされそうだ。

お「そっかぁ大変だなぁ」
一「僕達は料理すらしないからね……ヒヒッ」

一松さん、闇を感じる。

結貴野「じゃあ私はこの辺で」
カ「気をつけて帰るんだぞ〜」

手を振る三人に手を振り返し、家へと足を向けた。

その途端どっと疲れが出る。
やっぱり慣れてない人の前で気を抜くことは、私には無理みたいだ。

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作者名:スノーローズ | 作成日時:2017年4月29日 7時

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