推し様の夢を見たい (ページ36)

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いつも通り仕事を定時で切り上げ
帰路へ向かう……

のではなく、買い物をするため少し寄り道をした

コラボ商品目当てで！

有難いことにすぐに売り切れる訳でもないため
朝から急いでいく必要は無いのだ

『これと、これと…』

当たり前のように全員分買って財布を軽くしていく

お金はかけていても自分に必要だと思うものだけ
買っているからか、後悔することはあまりない

幸せな一日だな～なんて鼻歌を歌いながら
今度こそ帰路へ向かった

早めに寝支度を済ませていると端末から通知が鳴り、
ベッドに座って確認をする

テヒョンA～

Aどうしたの?

テヒョン今もう時間ある?

A全然あるよ!

一日で随分慣れたものだなとニヤケながら
返信をした途端、着信音が鳴り響く

『え！？
で、電話は聞いてないよどうしよう……あ！！！』

動揺のあまり手が滑って応答を押してしまう身体が
固まる

かすかにおーい、と端末から声が聞こえ恐る恐る
耳に当てて言葉を返すことにした

『もしもし…』

TH《あーやっと声聞こえてきた！
さっきの俺の声届いてた？》

『と、届いてたけど驚いちゃって…』

TH《あはは！そうだろうとは思っていたけど面白いね》

実際に話したことあるんだから緊張しなくていいのに
なんて言われるけど電話はまた違うの！

でもそんな会話を暫くしていたら緊張も解れていき
本題に入ろうと自ら話を振ることにした

『ところで何かあったの？急に電話なんて』

TH《あー…俺、Aの声が聞きたかっただけだよ》

『え、…』

目を見開いて言葉を詰まらせていると
ひときわ明るい声が聞こえてくる

TH《…明日も仕事だし寝ちゃおうか、おやすみ！》

『お、おお、おやすみ！』

……

なんだ、なんなんだあれは

友達にそんなこと言う人なの彼は！？

が、頑張ってなれなくちゃ…

落ち着く事が出来ずきゃー！と何度も寝返りをうち
無理やり目を閉じた