推し様の夢を見たい (ページ21)

今日:20 hit、昨日:3 hit、合計:3,600 hit

21 ページ21

YG「…い……おい」

『はっ…！』

あれ、ユンギさんがいる…

これでまだ夢から覚めないなんて

YG「…大丈夫かよ、」

『えっ、あ…はい！』

隣で寝たと言っても夢の中だ

意識を失ったおかげか
冷静に考えられるようになったかもしれない

YG「それにしてもあれで気を失うなんてな、…ふ」

『笑い事じゃないですから！』

口ではそう言いつつ鼻で笑う姿に胸がきゅんとなる

格好いいんだよ……この……ずるい人め…

ファンはこういうのにも弱いの知ってる？

YG「…で、名前は？」

『あ、えっとユンAです…？』

YG「俺はミンユンギ」

『まあ、知っております…』

YG「だろうな、反応からして」

突然の自己紹介に戸惑いつつ
意外とポンポンと会話ができて感動を覚える

でも初対面なはずなのに
なんでもお見通しだって目で見ないで欲しい

変に緊張してしまう

YG「顔にも出てるから分かりやすいんだよな」

『え…口だけじゃなくて顔にも？』

慌てて自身の顔を触っていると
喉を鳴らして笑う彼が視界に映った

YG「…っく、はは！」

『な、なんですか！もう！』

これだからユンギペンが増えるんだよ多分

いやきっとそうだ！

案外話しやすくてそのまま会話を続けていると
彼は思い出したようにポケットを漁り始めた

YG「…お、あった。凄いな」

その言葉に首を傾げると手を出してと言われ
大人しく手を差し出す

YG「ん。これAのだろ？」

私の手の上で綺麗に光っているのは
まさに今日探していたネックレス

夢の中だということも忘れ
嬉しさのあまり涙を溢れさせて
何も考えずに彼に抱き着く

YG「ちょ、…っA」

『う…ありがとう、……ありがとうございます！』

感謝の言葉を素直に告げると私が泣き終わるまで
無言でぎこちなく頭を撫で続けてくれた

暫くして抱きついたことに謝りつつ距離をおくと
疑問に思っていたことを問い掛ける

『どこで見つけました？』

夢の中だから見つけるも何も無いか……

YG「ホソガがこの間行った飲み屋で拾ったみたいなんだよ。そのまま持って帰って悪かったな。俺の方から謝っておく」

うわあ、何だかリアル

カチ

なんて考えているとあっという間に
時間が来たようだった

『ユンギさん、今日はありがとうございました！』

YG「ああ。……また会おうな」