推し様の夢を見たい (ページ17)

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……なんだか手が重たい

薄く目を開くと、私と手を重ねているチョンホソクの姿があるではないか

HS「起きました？」

柔らかい笑みを浮かべている彼を見て、緊張のあまりまた固まると
今度は彼がハッとして慌てて重ねていた手を離した

HS「あ！！ごめんなさい！つい！いやついってなんだろう…」

申し訳なさそうにこちらに向かって頭を下げてくる姿を見て、現実と反対だななんて思わず笑ってしまう。
きっと相手は分からないだろうけど

そうだ、自己紹介しておかないと

失礼のないように身体を起こして彼の方に体を向けた

『…私！ユンAです』

HS「あっ俺はチョンホソクです…知っています、か？」

こういう風に最初から来たのは初めてだ

少し緊張してしまうけど嘘はつけないからナムジュンさんの時と同様に素直に言うことにした

『……知っていますよ、防弾少年団のメンバーの一人、ですよね。その！私もARMYでして』

HS「…やっぱり、そうでしたか。
会えて嬉しいです、Aさん！」

なんだ、なんなんだ
会えて嬉しいと言ってくれる彼がとても眩しい……

『私も嬉しいです…ホソクさん！』

何も言わずにこちらをじっと見つめてくるから段々と不安になっていく

え、どこか変だったのかな？

『あの、』

HS「ああ、いえいえ！そうだ、俺達の中で特に好きなメンバーはいたりしますか？」

これは困った質問だ

HS「気をつかわなくてもいいですからね！」

『えっとですね…』

本当に困った、だって…だって

『……みんな好きなんです！』

そう、私は箱で推しているのだ

勿論1人のメンバーがきっかけで防弾少年団を好きになったのだけど…

気がついたら全メンバーを好きになっていて1番を選べなくなっていた

HS「へえ…そうなんですね！俺も好きでいてくれてるのか～嬉しいな」

驚いたように数回瞬きをした後直ぐに嬉しそうな表情で言うものだから、私が何だか照れくさくなってきた…

良かった、変だと思われなくて