いけない事しよ？〈Snow Man〉

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映画が始まって1時間経てば
いつのまにか画面に見入ってしまって
あっという間に終わりを告げた。


近すぎず遠すぎずに座った距離が
少しだけ心地良く感じる。



『...っ...ぐすっ』



目「....泣きすぎじゃね？」



『うるさい...感動系弱いのよ...』



目「ふはっ、意外なんだけど」



時計を見ると23時半を回った所



目「じゃあ、そろそろ送ってくかぁ
タクシー呼ぶよ？」



家の鍵と財布を手に取り
玄関に向かう目黒さんに声をかけた。



『あ...送ってかなくて大丈夫』



目「そこは黙って送らせろって」



『ちがっ...そうじゃなくて
あの、私の家もこのマンションだから』



目「............まじ？」



『うん、この下の階』



はぁぁぁぁと頭を抱え込んでうずくまった彼を
不思議そうに見ると、その視線に気づいたのか
目黒さんは視線を上げた。



目「やべえかも、俺」



その言葉の意味が私には何のことなのか
この時理解ができなかった。



その後、部屋に着くまで危ないからなんて
よくわからない理由で部屋までついてきた目黒さん



『ここだから、じゃあ、また。』



目「あのさ、連絡先教えて？」



『なんで？』



目「なんでって、もう友達じゃん」



私達って友達か？なんて思ったけど
少しの時間一緒に過ごしてみて、
そして私の気持ちを聞いてくれた目黒さんに
ちょっとだけ心を開いていた私は
自分の携帯を取り出した。



『連絡事項以外返さないから』



目「ふはっ、たくさん送るわ」



『じゃあね、今日はありがとう。
目黒さんに話してちょっとだけスッキリした』



目「....蓮』



さっきまでのふざけた表情ではなく
真剣な顔で私を見つめる視線と
月の明かりに照らされたその表情に
ちょっとだけドキッとした。



目「これからは蓮って呼んでよ」



ぽんっと私の頭を撫でた後、
後ろを振り向き帰っていた目黒さんは
少しだけ耳が赤くなっているように見えた。

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