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知念「じゃあ、涼介さんはしばらくここに住むの?」
圭人「うん、まあ山ちゃん家事全般できるから願ったり叶ったりだけどね」
知念「…なんでわざわざ圭人の家なんかに来たんだろうね、なんにもないのに」
圭人「ふふ、ちぃちゃんは知らない方がいいかも」
涼介さんがシャワーを浴びている間、僕と圭人でクッキーを広げて涼介さんについて話を聞いていた
僕が知らなくていい理由ってなんだろう
どれだけ圭人に教えてって言っても教えてくれなくて本人に聞きなよって言われたけど、涼介さんに話しかけるのは少しだけ、いや、だいぶ抵抗がある
圭人がいるからちょっとは喋れるけど、圭人がいなかったら絶対に近づくこともできない
涼介さんってすごく綺麗な顔をしてるのに、怖くて逃げちゃいそう
二人きりの環境なんて考えただけでも恐ろしい
涼介「あ、それ俺が焼いたクッキーじゃん
知念ちゃんはいいけど圭人は食べたら張り倒すぞ」
圭人「酷いよやまちゃーん!」
いつの間にシャワーが終わったのか、僕とけいとでつまんでいたクッキーを一つ口に運ぶ彼
これ、涼介さんが作ったんだ
何処かのスイーツ屋さんで売ってるものかと思うくらいおいしかったからびっくりした
圭人がトイレに行ったのを見計らってか、突然僕の近くに来てクッキーを一つ手に取った彼
涼介「知念、あーん!」
椅子に座っていた僕と同じ高さまで屈んで、ちょうど彼と目が合った。
“知念”と呼び捨てされていることもそうだし、あーんとか、恋人じゃないんだからとも思ったけど、拒絶するともっと怖そうだから素直に口を開いた
クッキーが僕の口の中に入ったことを確認すると、彼はわざとらしく僕の唇を親指でなぞってじっと僕を見つめた
なんだか恥ずかしくなってふいっと顔を逸らすけど、手で顎を持たれて涼介さんしか視界に映らないくらい顔を近づけられた
涼介「照れてる、かーわい、」
少し掠れた低い声が耳元に伝わってきてゾクリと体が反応した
自分がおかしくなりそうで僕は勢いよく立ち上がり、帰りますとだけ伝えて足早に玄関を飛び出した。
耳について離れない彼の声
涼介さんは危険すぎる
もう絶対に近づかないと心で呟いた
まだ残るゾクゾクした感覚はきっと、彼の顔がかっこよすぎるせい
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ぱっつん - もう終わりですか?続きが見たいです。気長に待ってます。 (2018年6月15日 8時) (レス) id: 392e55b28e (このIDを非表示/違反報告)
あ い り ん ご ? ?(プロフ) - 終わってしまうのですか?( ; ; )続き楽しみにしてます! (2018年5月27日 17時) (レス) id: 2558e0d735 (このIDを非表示/違反報告)
ここみ - こんばんわ。いつもお話楽しみにさせてもらってます!次回作もやまちねちゃんがみたいです!できたらでいいのでよろしくお願いします! (2018年4月4日 18時) (レス) id: 13aa0fd7e6 (このIDを非表示/違反報告)
hall(プロフ) - 凄く面白いです!次回作もやまちねがいいです(><)更新楽しみにしてます! (2018年2月12日 0時) (レス) id: c7890d568e (このIDを非表示/違反報告)
*kanapuchi*(プロフ) - 次の小説もやまちねがいいです!!!!よろしくお願いします。更新、楽しみにしています!! (2017年12月25日 6時) (レス) id: d8ac1fcedc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作成日時:2017年8月26日 21時