【鬼滅の刃】常識通じないタイプの鬼.弐【トリップ】

ヨンジュウゴ ページ19

何が起きている？

小瓶を割って頭を抱えたかと思うと


先程までの零れんばかりの大きな目が
すっ、と見据えるような目付きになり


昼に溶け込む透明な雰囲気が
夜を背負うどす黒く重たいそれを感じさせ


挑発じみた子供のような口調が
鈴のなるような声が
高慢な態度が言葉へと姿を変えて
ひとことひとことに圧を込めた声となって発さられる。


独り言のはずだというのに
「愛し子」としきりに繰り返し
誰かと話しているようだ。




「おい、さっきから何を」

「やかましいわ！
取り込んでおる！出直せ！」




ぎろり、と睨まれて
思わず右足が半歩後ろへさがる。

美人の真顔は怖いと良く言うが
睨まれるのもなかなか

太陽が動き
陽のあたる場所が増えた。

服が熱を吸収する。

そろそろ本当に潮時だな。




「また来よう」

「来んでいい」

「出直せと言っただろう」

「言葉のあやだ。二度と顔を見せるな」




吸血鬼。

そして王と言っていたな。

この世の闇を統べる……





「フン、配下に取り組んだとしても
結局いずれはやりあうことになるのか」




むしろ、取り込んでいない方が
寝首をかかれずに済むかもしれない。

もし、もしもだが
俺が鬼殺隊にやられる時が来たら

その後はAが鬼殺隊を破滅へ導くだろう。

鬼殺隊の内部分裂か
見ものだな。

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