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『別れよう』
バイトが終わって、近くのカフェに
付き合って1年半になる彼氏に呼び出され
突然そう告げられた。
私も話さなくてはいけないことがあったら
丁度いいと思っていたのに
まさか、そんなことを言われるとは。
膝丸「他にいい人がいるんだろう」
A「なんの、話……？」
無理やり出した声が震えていた。
現在大学生。
もう、来年には卒業。
わりと仲良く付き合ってきたつもりだし
……恋人同士の行為も、した。
彼氏といる時がなによりも楽しくて
暖かくて
卒業したら結婚するんだろうって
この人と結婚できたらきっと幸せだろうなって思っていたのに。
膝丸「誤魔化さなくていい。
今まで無理をさせてすまなかった」
A「無理、なんか……してない」
俯くことしか出来なくて
泣きそうになるのを我慢するべく
前のデートで一緒に買ったばかりのスカートをギュッと握る。
だめだ、泣いちゃだめ。
今泣いたら膝丸くんが悪者になっちゃう。
こういうこと言わせた、私の方が悪いはずなのに……
というより、
膝丸くんに、『泣けばいいって思ってる女』だと私が思われたくない。
膝丸「…………君は、泣かないよな」
A「え……？」
膝丸「いや、何でもない。
なんというか、君は、俺が居なくても何とかなるだろ？」
『そんなこと』と言いかけて、止める。
実際この歳になって
人に迷惑をかけて生きるっていうのもどうだろう。
私には出来ない。
無言を肯定と捉えたのか
膝丸くんは言葉を続けた。
膝丸「君には、もっといい人がいるはずだ」
A「なにそれ……」
いないよ、そんな人。
膝丸くんだけだよ。
なんでそんな事言うの。
頭の中には浮かんでくる言葉が
上手く口から出ていかない。
最後の最後まで
わがままを言わない
ものわかりのいい女になってしまうしかない。
…………、迷惑は、かけられないし。
1人でも、どうにかしないと、いけない。
難しいことだけど。
膝丸くんから見えないように
俯いたのと同時に
静かに自分の下腹部をさすった。
それに気付かれたかどうかはわからない。
もし気付いていたとしたら
それは最大限の、私の嫌がらせだから。
少しでも、気にしてくれたら
…………何考えてるんだろう。
膝丸くんも覚悟して言ってくれてるんだ。
今更どうにかなる訳でもないのに。
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美葵 - 面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2022年12月13日 20時) (
レス) id: 1084734db6 (このIDを非表示/違反報告)
万(プロフ) - すっごくドキドキしながら見てます…！！ 続き楽しみにしてます！ (2022年12月6日 10時) (レス) @page11 id: be844da8b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こまめ | 作成日時：2019年12月25日 0時
