ルパン3世次元大介と傭兵の女 (ページ1)

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プロローグ　次元side ページ1

まただ

また、この景色だ

何度目か分からない夢に、次元は魘されていた

「………っ！！！！……っ！！…………！！！！」

響く銃声と、ヘリから落ちていく撃たれた女

己の手を必死に伸ばすも彼女には届かない

彼女が口を動かした時だった

「…っはぁ…！！！っ……あれから5年…か。なぁA、お前は一体何を伝えたかったんだ？」

カチャリと愛銃を撫でながら、次元は深く息を吐いた

あの日…

かつて傭兵として雇われていた時に出会った一人の女…

次元とAは恋仲だった

しかし二人が属していた組織は激戦区の中

いつ誰が死んでもおかしくはなかった

その中でも唯一、ずっと生き残っていたのは次元とAだけだった

組織の人員が入れ替わる度に二人で指揮をとっていた

その彼女がヘリから落下して死んだことは事実

下は海でも叩きつけられたらひとたまりもない位置だった

アイツが落ちる時、確かに何かを伝えようとしていた

俺はその日からずっと夢を見続け、必ず何かを聞く前に目を覚ます

まるで呪いのように…

『ねぇ次元！これさ、持っててよ！！私の代わり！』

ポケットから取り出したのはチェーンのついた銃弾

Aが持たせてくれたお守りだ

「代わりって…何言ってんだ。二人で生きて帰る。約束、したろ？」

その時の彼女の顔も声も次元は全て記憶している

悲しそうに笑った彼女は、またこういうのだ

『約束……だね。ふふ、ありがとう大介。』

まるで自分が死ぬことがわかっていたかのように

悲しげに笑った彼女の顔を忘れたことはない

軽く、銃弾にキスを落とし…先日やり合った傭兵集団を思い出していた

ルパンからも危険視されていた女

その女がAにそっくりだったのだから

「まさか…な。」