秘密の逢瀬ってこれを言うんじゃないかな、骸君。 ページ8
「そっ、それにしても本当に質のいい炎ですね！」
「はい、実験もやり易くて気に入ってるんです私の炎」
空気を変えようと必死な声に笑って、実験装置に"オレンジ色の炎"を灯した試験管を設置していく。
「私ではさすがに専門分野の違いでお手伝いできることに限りがありましたが…」
「はい、ここからは工学技術出身者に任せていただければ」
「よろしくお願いします」
丁寧に頭を下げる柔らかそうな癖毛を目で追う。
「くれぐれも用途に関して知られ過ぎることのないように、ね」
「はいわかっています、ですが一概に上司と呼ばれる方は何故か僕の手作りには寛容なんだよね」
周りは煩いけど、とまたお腹をさする。
上司とぼかされた名前に気遣いを感じて、頭がよくて人がいいのも考えものだな、と心配になった。
「では、あまり長居すると危ないので」
「うんそうだね、立場が立場がだし…」
研究以外にことは細かく教えてくれていないが、隠密で来ているのでもちろん危ない橋を渡っている。
精神年齢からこんな若い子が…と彼の垢抜けていない容姿も相まっておばちゃん思考に陥っていると、
「いや、そうじゃなくて、雲雀さんが…」
「…？恭弥君が？」
「い、いえ、なんでもありません」
慌てたように障子に手をかける彼に首をかしげて、ストックしてあるオリジナルのステルス匣を開く。
大空の炎はなんでも開けられるから便利だ。
何重もの幻術で隠されたそこは、障子を開ければすぐに外に繋がっている。
「気を付けてね…入江君」
秘密の逢瀬ってこれを言うんじゃないかな、骸君。
終わり
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まぶぴちょこ(プロフ) - すっごく面白い話で、惹き込まれる作品でした！もう完結なのでしょうか…？どちらにせよ素敵な作品をありがとうございました！ (2022年2月25日 22時) (
レス) @page8 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
地味って便利 - めっちゃおもしろいです！楽しみにしてます！ (2020年1月2日 16時) (レス) id: 3582ac3c0b (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - 紫苑さん» お返事遅くなって申し訳ありません！ありがとうございます！頑張ります！！ (2019年10月28日 0時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 更新楽しみにしてました！頑張って下さい！！ (2019年10月8日 16時) (レス) id: 14ab16d7c2 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - カリンさん» お待たせしました！待っていてくださりありがとうございます。頑張りますのでどうぞお楽しみに！ (2019年10月7日 19時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラダ | 作成日時：2019年10月5日 22時
