僕よりもたくさん、君を守っていたあいつ。 ページ41
前触れはあった。
ここ最近妙に機嫌のよかった六道君だとか、会話の中に出てきた恭弥君の名前、夢という名の復讐。
潜伏している理由を知ろうとしなかったのも、私の意思だった。
偶然出会ったのが私で、きっとその夢を知っていても私は止めようとはしなかったのだろう。
何故ならその前に夢ができる過程を知ってしまったから。
そういえば、私が長期休暇だと言ってテスト前にヴェルデさんに日本への帰国を言い渡されたとき、隣町にとあるマフィアの跡取りがいるとか、リボーンには気を付けろだとか、色々と言われた気がする。
ヴェルデさんの血生臭い研究内容の対象となった人物になど、関係がない思いたくて忘れていたのも、私の落ち度だ。
この世界は進んでいく、私は蚊帳の外。
ただ渦中にいるのが私の周りだというだけの…。
何を思っても、もう遅いけど。
「傷だらけだね」
「…A」
何できたの。
ポツリと真っ白の中に溶け消える言葉を呟いた本人の表情は、苦々しく歪められている。
「あいつはAの、何なの」
率直で、探るという回りくどさを選択しない彼は、その血生臭い舞台より病室の方がなぜだかしっくり来る。
こんなこと思っちゃいけないんだろうけど…包帯に包まれた四肢と、相変わらず白い肌の色が真っ黒で柔らかな髪を際立たせているからだ。
「友達だよ」
今も、と言いたいと思えるほどには。
チッと舌打ちした恭弥君が、顔を窓の方に背けた。
私に向けられたものか、図りかねる。
「あいつは、君を巻き込むことができた」
「え？」
「確実に、僕を誘き出す餌にできたはずだったんだ」
それをしなかったのは…、言葉を切った恭弥君がもどかしそうにもう一度舌打ちをする。
何か、あったのかもしれない。
傷だらけになるような激しい状況の中で、私の身近なこの二人が、交わした会話の中に。
それを問いかける勇気は私にはない。
ただ、悔しげに握りしめられた拳を深読みしないようにと、知らないふりをするのには、もう疲れた。
僕よりもたくさん、君を守っていたあいつ。
少なくとも、もう私の隣の席には君がいないとしっくり来ないんだからさ。→←女の私より綺麗な笑顔って腹立つな。
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サラダ(プロフ) - シオンさん» こちらこそ自分勝手に更新止まってしまって申し訳ないです。ただいま書いては書き直してを繰り返してますのでお見せできる文章になりましたらどうかお楽しみください！コメントありがとうございました！ (2019年9月22日 16時) (
レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 続きが気になります！自分勝手かもしれませんが、どうか更新よろしくお願いします。 (2019年9月17日 1時) (レス) id: 8d841be347 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - 白露さん» ありがとうございます！ページもいっぱいになったので次は3章に入っていきます！もう少々お待ち下さい！ (2019年8月6日 15時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
白露(プロフ) - とても面白くて一度に読んでしまいました。 続きが気になる…！(>ω<*) (2019年8月3日 18時) (レス) id: 5376065075 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - きさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません！分岐…考えたこともありませんでしたがそういうのもありですね！落ちは私のなかでは既にきまっていたようなものだったので、私が出来る限りで挑戦させていただきたいと思います！ (2019年6月29日 13時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラダ | 作成日時：2019年3月13日 19時
