女の私より綺麗な笑顔って腹立つな。 ページ40
「雲雀恭弥という男をご存じで…？」
私の反応一つ見逃さないようにでもしているのか、ジッとこちらから目をそらさない六道君。
あからさまなその態度に表情を変えずに問い返す。
「恭弥君がどうしたの？」
どうせ知っているのだろう、と六道君に向けていた顔を机の上に返した。
「なに、隣町で名を馳せている不良の頂点だと聞いたので」
不良の頂点…？
風紀の腕章をしっかりつけていたのを見るとそんな感じはしなかったけれど。
格好だけみればむしろ文学少年だったような…。
再会した時に手慣れたように払ったトンファーが脳裏をちらつく、確かに強そうだけど…そんなに？
仰ぎ見た六道君の表情が悪戯に笑うのを確認して、興味から無意識に顔をあげてしまった自分に舌を打ちしそうになった。
「恭弥君、ですか」
「なに」
「妬けますねぇ」
何かを促すような沈黙をため息を吐き出して破る。
「幼馴染だからそうなっただけだからね、今さらだよ」
暗に今さら君の呼び方も直せない、と伝えると、ほぅ、と珍しく聞き分けがいい。
「最近、機嫌がいいね？」
六道君でもわからないだろうともしものことを考えてわざわざペルシア語で訳されたそれらをファイルに戻した。
書類を送ってくれたのはいいがたまに違う語を混ぜたり暗号化したりするのやめてほしい。
恩情はあるのに地味な嫌がらせは欠かさないのだあの赤ん坊は。
ちなみに隣に六道君はいるがここは学校ではなく黒曜の図書館である。
避暑地にでもしているのか私の隣を陣取った彼を放置して、一緒に届いた新しいパソコンに全て記録しておく。
もしもがあったときパソコンごと破壊できるようにだ。
わざわざヴィンディチェの情報なんてもの持ってくるからこうなる…足がつかないように場所を変えなくてはいけない私の苦労を考えてください。
まぁ、ヴィンディチェのような非現実的な機関に諜報のお手本のような対策が効くのかは知らないが。
「ええ、もうすぐ夢への第一歩となりそうなので」
「夢、ねぇ…素敵な言い方だね？」
わざとらしく笑いかけると、私よりはるかに麗しい笑みを返された。
女の私より綺麗な笑顔って腹立つな。
僕よりもたくさん、君を守っていたあいつ。→←いつかの君と甘く優しいティータイムを。
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サラダ(プロフ) - シオンさん» こちらこそ自分勝手に更新止まってしまって申し訳ないです。ただいま書いては書き直してを繰り返してますのでお見せできる文章になりましたらどうかお楽しみください！コメントありがとうございました！ (2019年9月22日 16時) (
レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 続きが気になります！自分勝手かもしれませんが、どうか更新よろしくお願いします。 (2019年9月17日 1時) (レス) id: 8d841be347 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - 白露さん» ありがとうございます！ページもいっぱいになったので次は3章に入っていきます！もう少々お待ち下さい！ (2019年8月6日 15時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
白露(プロフ) - とても面白くて一度に読んでしまいました。 続きが気になる…！(>ω<*) (2019年8月3日 18時) (レス) id: 5376065075 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - きさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません！分岐…考えたこともありませんでしたがそういうのもありですね！落ちは私のなかでは既にきまっていたようなものだったので、私が出来る限りで挑戦させていただきたいと思います！ (2019年6月29日 13時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラダ | 作成日時：2019年3月13日 19時
