この夏は、なにかが始まる予感がするね。 ページ37
ご丁寧にもヴィンディチェの収監リストまでもがファイルとして存在しているのを見て、思わず頭を抱える。
あり得ない、と恨みがましい気持ちでフロッピーディスクドライブを睨み付けて、そのファイルを開くことなく無視した。
ヴェルデさん…もちろん足は着いてないですよね…。
ろくに情報も入ってこない現実離れした機関の情報なんか少しでも検分すると命すら脅かされそうなものだけど…。
ここまでディープな情報は求めていないぞと目当てのファイルを開けた。
はっきり言って、六道君がなんの目的があって日本にいるのか、などというのにはあまり興味がない。
というよりそこまで興味を示してしまえば確実に裏の世界に繋がってしまうので、あえて無視をする。
「…視覚情報の情報処理、じゃなくって…ブレインチップの類かな…ん〜だめだ」
よその庭に踏み込むのには知識量が足りないのか、ホイールを少しづつスクロールしていっても理解しきれないものがある。
んー、と不機嫌に唸って、チカチカと光る携帯を手に取った。
恭弥君のアドレスが連なる受信画面からヴェルデさんのアドレスを探し出す。
ちなみに恭弥君に私のアドレスを教えた覚えはない。
ただ単に教えてと言われなかったから教えてないだけだけど、彼が情報に強いというのはこういうところである。
まぁ、私の一般的な個人情報は私の管理不足でもあるので文句は言えないけど。
引き結んでいた唇が緩まるのを自覚しながら、自宅の地下室になど自分しかいないので遠慮せずに呟く。
「気に入ると思ってましたよ」
この間贈った万年筆はどうやら彼のお気に召したらしい。
すぐに返信画面を開き、ディスクのお礼の言葉と余計な情報があったことの少しの非難を混ぜた。
パソコンに資料を送ってほしい旨を伝えて、書庫に向かう。
「人口眼球の移植、研究所は清潔な空間だったかというと…机上の空論、よく成功したよね」
野心、かな。
最近妙に機嫌のよさそうな六道君が脳裏をよぎる。
この夏は、なにかが始まる予感がするね。
いつかの君と甘く優しいティータイムを。→←知らないふりすらできやしない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 876人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サラダ(プロフ) - シオンさん» こちらこそ自分勝手に更新止まってしまって申し訳ないです。ただいま書いては書き直してを繰り返してますのでお見せできる文章になりましたらどうかお楽しみください！コメントありがとうございました！ (2019年9月22日 16時) (
レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 続きが気になります！自分勝手かもしれませんが、どうか更新よろしくお願いします。 (2019年9月17日 1時) (レス) id: 8d841be347 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - 白露さん» ありがとうございます！ページもいっぱいになったので次は3章に入っていきます！もう少々お待ち下さい！ (2019年8月6日 15時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
白露(プロフ) - とても面白くて一度に読んでしまいました。 続きが気になる…！(>ω<*) (2019年8月3日 18時) (レス) id: 5376065075 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - きさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません！分岐…考えたこともありませんでしたがそういうのもありですね！落ちは私のなかでは既にきまっていたようなものだったので、私が出来る限りで挑戦させていただきたいと思います！ (2019年6月29日 13時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サラダ | 作成日時：2019年3月13日 19時
