なるほど、私の審美眼では惨敗である。 ページ2
「転校生…？」
この黒曜中学の中で、まだ大人しい部類に属するクラスメイトの女の子が、興奮ぎみに話してくれた転校生はどうやら大層伊達男であるらしい。
そして、いつの間にか席替えをされていた私の隣の席なのだと。
一番後ろの窓際の席は、ある意味私の特別な席でもあるので、その人気の理由とは別にちょっとテンションが上がっていた。
まだ空席の隣を見て、目を細める。
成長しているだろう今の彼はきっとさらにお父様似の美人な少年になっていることだろう。
幼少期より肥えた私の目は厳しいかも知れないぞ、と何故か人知れず挑戦的になる。
開いていた分厚いハードカバーの科学書を捲る。
校舎に人が増えるていくとギャーギャーと動物園より酷い野太い声が聞こえてくる。
バイクのエンジン音なんてものも混ざっているのに教師の注意の声が聞こえてこないのはこの学校ではそれが普通になっているからだ。
だからこそほぼ学校に来ない私が籍を置きやすかったのである。
そんな環境でも途切れない集中力を駆使してもう見慣れた外国語を目で追うっていると、ふと質のいい本の紙に影がかかった。
「おや…È un libro scientifico?(科学書、ですか？)」
耳当たりの良い低い声に弾かれたように顔をあげる。
「Sì, ma ...(はい、そうですけど…)」
あ、あれ…ここって日本じゃなかったかな。
滑らかなイタリア語に思わず同じ言語で返してしまったが…。
私が読んでいたイタリア語の科学書を覗き見るようにその高い背を屈めていた少年が、私の隣の席を引く。
座高の差から多少見上げるようにその少年を仰ぎ見ると、柔らかな笑みを浮かべている美丈夫が…。
「突然すいません、イタリアから日本に渡ってきたので…六道 骸と言います」
「えっ、あ、A Aと言います」
外国語ペラペラで長身で優しげイケメン…。
なるほど、私の審美眼では惨敗である。
そこ、枯れてるとか言わない。→←実写、ビー・バップ・ハイスクール…はちょっと古いか。
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サラダ(プロフ) - シオンさん» こちらこそ自分勝手に更新止まってしまって申し訳ないです。ただいま書いては書き直してを繰り返してますのでお見せできる文章になりましたらどうかお楽しみください！コメントありがとうございました！ (2019年9月22日 16時) (
レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 続きが気になります！自分勝手かもしれませんが、どうか更新よろしくお願いします。 (2019年9月17日 1時) (レス) id: 8d841be347 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - 白露さん» ありがとうございます！ページもいっぱいになったので次は3章に入っていきます！もう少々お待ち下さい！ (2019年8月6日 15時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
白露(プロフ) - とても面白くて一度に読んでしまいました。 続きが気になる…！(>ω<*) (2019年8月3日 18時) (レス) id: 5376065075 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - きさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません！分岐…考えたこともありませんでしたがそういうのもありですね！落ちは私のなかでは既にきまっていたようなものだったので、私が出来る限りで挑戦させていただきたいと思います！ (2019年6月29日 13時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラダ | 作成日時：2019年3月13日 19時
